2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧
ハヤブサワケとメドリを追い詰め、誅殺した皇軍。皇軍の指揮をとっていた将軍はオオタテだった。 オオタテは斬られたメドリの体から、腕に巻かれていたきれいな玉飾りを戦利品として取った。 そして自分の妻にその玉飾りを与えたのである。 さて、その後、新…
天皇はメドリをあきらめ、宮に帰っていった。 その後、ハヤブサワケが帰ってた。 メドリは何を考えたか 「ひばりは天を高く飛びますが、はやぶさ はさらに高い空を悠然と飛んでいます。はやぶさほどの力があれば、さざき(すずめ)など簡単に討ち取れるでし…
さて、ヤタノヒメをめぐる皇后イワノヒメとの騒動に、さすがに天皇も懲りた・・・ ・・・かと思いきや、そうでもなかった。 天皇は次に、ヤタノヒメの妹のメドリを后にしようと考えたのである。そして自分の異母弟のハヤブサワケにメドリを迎えに行くよう命…
天皇の命を皇后に伝えようと雨の中這いずり回るクチコ。それを見た皇后の侍女でクチコの妹のクチヒメと、家の主人ヌリノミは、そっとクチコを屋敷の中に招き入れた。 そしてここで、クチコとクチヒメ、ヌリノミの三人は話し合った。このままでは皇后は意固地…
大雨の中、ヌリノミの屋敷にたどり着いたクチコ。早速正面玄関に赴き、天皇からの口上を伝えようとした。 しかしその様子を察した皇后、表には出てこず、裏のほうへ入っていった。 クチコはすぐに大雨の中、裏口のほうに回る。すると皇后は今度は表に回るの…
天皇がヤタノヒメを宮中に招き入れたと知った皇后、怒り狂って紀伊の国から船で運んできた御綱柏(みつながしわ)をみんな捨ててしまった。 そして皇后は、難波の宮には戻らなかった。 舟に乗ったまま淀川を登り、山城の国まで行き、木津川を上っていったの…
その後、皇后イワノヒメは新嘗祭の準備のため、御綱柏(みつながしわ)の採取をしようと木の国(紀伊国)に来ていた。 さあ、その間に天皇は宮中にヤタノヒメを招き入れたのである。 御綱柏を積んだ皇后の御船が、木の国から帰ってきて難波の港に入った時だ…
天皇は逃げられたクロヒメにどうしても会いたかった。しかし、少しでも天皇がそんなそぶりを見せると、イワノヒメの怒りが炸裂する。 天皇は「淡路島へ巡行に行く」とイワノヒメに言って、宮中から出かけていった。 そして淡路島に着いたとき、はるか海原を…
仁徳天皇の皇后をイワノヒメと言った。 このイワノヒメが、なかなかものすごい嫉妬の持ち主だった。 身分が高い男は複数の妻を持つことが普通だったこの時代に、天皇がちょっとでも他の女性に手を出すと手足をばたつかせて暴れたのである。 このため天皇が召…
村の家々から炊事の煙が立っていないのを見て、民の窮乏を嘆いた天皇。 そして天皇は 「これより3年間、一切の租税及び労役を免除する」 と勅令を出した。 この報を聞いた日本の民、大喜びだった。 「天子様が向こう3年間、一切の租税を免除してくださるだと…
第16代仁徳天皇ことオオサザキ。 即位後、大和から難波の高津の宮に遷都した。 祖母の神功皇后が新羅・百済を日本の勢力下におさめ、父の応神天皇は両国から大陸の文化を取り入れていた。祖母・父の外交政策を受け継いで日本を発展させるには、港に近い難波…
反逆者オオヤマモリを誅殺した皇太子ウヂノワキ。そしてウヂノワキは応神天皇の後を継いで天皇に即位した・・ ・・訳ではなかった。 ウヂノワキは、次の皇位はオオサザキが継ぐべきだと言って、天皇の座を辞退したのである。 ウヂノワキは言う 「私は弟です…
皇太子ウヂノワキを暗殺するため、渡し舟に乗ったオオヤマモリ。船頭は何も言わず、船を漕ぎ出した。 秋の心地よい日差しの中、渡し舟は進む。 川の真ん中に来たとき、オオヤマモリは船頭に語りかけた 「おい、船頭!この山には大きなイノシシがいると聞く。…
オオヤマモリ反逆の情報をオオサザキから聞いた、皇太子ウヂノワキ。策略をもってオオヤマモリを迎え撃つことにした。山へ紅葉狩りに行幸するという偽の情報を流したのである。 さて、その当日。宇治川のほとり、川の向かい岸の山には絹の幕を張り巡らして、…
さて、はや十数年の時が経ち、天皇は崩御された。 天皇は皇太子として末子のウヂノワキを指名していた。ウヂノワキはそのころ、りりしい少年に成長していた。 天皇の御子のうち、オオサザキは父の言葉に従って次代の皇位はウヂノワキとするつもりでいた。 し…
こうして天皇とヤカハエヒメとの間に生まれた御子、ウヂノワキ。天皇は幼い御子を特にかわいがっていた。そして将来の皇位はウヂノワキに継がせたいと思うようになっていった。 ある日、天皇は御子のオオヤマモリとオオサザキを呼びだした。そして二人に 「…
ある日、天皇は山城の国に巡行に出ていた。そして木幡村に来たときのことだった。 そこにとても美しい少女が歩いていた。天皇はその少女を見るなり、ぜひ自分の后にしたいと思った。 思えば、息子のオオサザキに迎えに行くよう命じたカミナガヒメは、願いか…
新嘗祭の宴席上、カミナガヒメを皆に紹介した天皇。その場にいたものは、天皇が新しい后を紹介したものと思っていた。 カミナガヒメは天皇のもとに進む。すると、天皇はカミナガヒメに柏の葉で作った杯を持たせ、酒を注いだ。柏の葉は神聖なものとされ、柏の…
建内宿祢(たけうちのすくね)は、突然訪ねてきたオオサザキとカミナガヒメを見て言った。 「おや、オオサザキ様、どうなさいました?それにそちらの娘さんは?」 「いや、タケウチ!実はそのことで、お願いがあるんだ・・」 オオサザキは一旦カミナガヒメを…
天皇はある日、日向に住むカミナガヒメが、とても美しいという話をきいた。そこで天皇はカミナガヒメを自分の后として迎えるべく、大和に召し出した。 カミナガヒメは船で瀬戸内海を上り、難波の津についた。 天皇は自分の息子のオオサザキを呼び出した。そ…
天皇は酒をとても好んでいた。 何しろ、幼少の折、建内宿祢に連れられた禊の旅から大和に帰還した時、母の神功皇后から神酒の歓迎を受けたのだ。成長してからは、何かにつけて酒を楽しんだ。 といっても別に酒癖が悪いわけでもなかった。酔っては明るく歌い…
仲哀天皇の遺児であるホムダワケ、母の神功皇后の尽力もあり皇位を継ぐことになった。第15代の応神天皇である。 天皇の御代、母の皇后が征服した新羅から、土木技術者が日本にわたってきた。そこで天皇は建内宿祢に命じてこの技術者たちに灌漑用の百済池を造…
建内宿祢と御子ホムダワケは、大和に戻ってきた。 無事に禊を済ませて戻ってきた御子を見て、母の皇后オキナガタラシヒメは大喜びだった。 皇后は御子が帰ってくる日のために、酒を醸造して待っていた。 そして御子や建内宿祢、そして他に付き添って言った従…
反逆者オシクマを征伐した後、朝廷の重臣・建内宿祢(たけうちすくね)は御子ホムダワケを連れて旅に出ていた。 旅の目的は、禊である。 敵を欺くための策略とはいえ、死者を運ぶ喪船にのせられた御子ホムダワケ。死者の穢れを祓う必要があったのである。 建…
皇后と御子が乗る喪船の奇襲に失敗した、将軍イサヒ率いるオシクマ軍。 将軍タケフルクマ率いる皇軍は、オシクマ軍を河内から山城まで追い詰めていった。ところが山城の国で、急を聞いたオシクマの援軍が駆けつけてきたのだ。 オシクマ軍は勢いを盛り返し、…
オシクマ率いる軍が待つ河内湾。そこに、御子ホムダワケを乗せた、偽りの喪船が入ってきた。喪船が岸壁に接岸する。 「行け!」 号令をかけたのはオシクマ軍の将軍イサヒだった。岸壁に接岸した喪船に向かって一斉に兵が斬り込む。 その時! 喪船から一斉に…
新羅から帰還後もしばらく皇后オキナガタラシヒメは筑紫の詞志比宮(かしいのみや)に滞在していたが、そのうち御子ホムダワケを連れて大和に戻ることになった。 しかし、皇后の不在中、大和では不穏な動きがあった。皇后の御子ホムダワケを差し置いて、仲哀…
新羅からの帰還後もしばらく皇后は筑紫の国に滞在していた。 冬を越して4月上旬のある日、皇后は末羅県玉島里(まつらのあがたのたましまのさと)に巡行に来ていた。 新羅を従えた皇后は民衆に人気が高く、行く先々で大歓迎を受けていた。 皇后は玉島川のほ…
こうして皇后は新羅・百済を日本の統治下に置くことに成功し、船に乗って帰還していった。 ところで皇后は、既に仲哀天皇の御子を懐妊していたが、新羅への渡航前にはすでに産まれようとしていた。しかし、この大事な局面において子を産むどころではない。 …
王宮の中で震えていた新羅国王。と、その時、家来の一人がやってきて言上した。 「王様、ヤマトの皇后が面会を願っておりますが、いかがいたしましょう?」 「なに・・ヤマトだと?!」 国王は、おびえたように言った、 「ああ・・ヤマト・・東方にある、天…