天皇がヤタノヒメを宮中に招き入れたと知った皇后、怒り狂って紀伊の国から船で運んできた御綱柏(みつながしわ)をみんな捨ててしまった。
そして皇后は、難波の宮には戻らなかった。
舟に乗ったまま淀川を登り、山城の国まで行き、木津川を上っていったのである。
そして百済から来たヌリノミの家に身を寄せた。
さて天皇、皇后が難波の宮に帰らずに、山城のほうへ上っていったとの報を聞いた。これにはさすがの天皇も慌てた。
そして皇后を連れ戻すべく、使者として舎人(とねり、天皇の使用人)のトリヤマを皇后のもとに送った。
しかしトリヤマは急ぎ皇后を追いかけたが、皇后に会うことはできなかった。
次に天皇は丸邇(わに)出身のクチコを使者として遣わした。
実はクチコの妹、クチヒメが皇后に仕えていた。なので兄のクチコであれば皇后に会ってうまく仲を取り持ってくれるかもしれないと考えたのである。
クチコはヌリノミの屋敷に赴いていった。その日は大雨が降っていた。
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