オオヤマモリ反逆の情報をオオサザキから聞いた、皇太子ウヂノワキ。策略をもってオオヤマモリを迎え撃つことにした。山へ紅葉狩りに行幸するという偽の情報を流したのである。
さて、その当日。宇治川のほとり、川の向かい岸の山には絹の幕を張り巡らして、御座所のように仕立てていた。そしてそこにはウヂノワキの身代わりである舎人(天皇の使用人)が座っていた。
そして御座所に大勢の官人が足しげく出入りするさまは、あたかも本物の御子がそこにいるようだった。
そこにオオヤマモリがやってきた。オオヤマモリは単身、御座所に乗りこむつもりであった。
オオヤマモリは兵を集めようとしたが、普段人望のない彼のもとには思うように集まらない。
それに比べ、皇太子ウヂノワキの警備兵は皇軍の正規軍の兵士である。オオヤマモリの私兵を集めてもたかが知れている。
それよりも、皇太子の異母兄の立場を利用してウヂノワキに近づいたほうが暗殺のチャンスが大きいとオオヤマツミは考えたのであった。
オオヤマツミは鎧の上から着物を羽織り、武装していることが分からないようにした。そして、宇治川のほとりまで出てきた。
皇太子ウヂノワキに近づくためには、御座所が置かれた対岸まで渡らねばならない。
そこに渡し舟があった。オオヤマモリは船頭に声をかけ、自分を対岸にわたすよう命じた。
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☆宇治川
琵琶湖から流れだし、桂川・木津川と合流して淀川となって大阪湾に至ります。川沿いの宇治神社・宇治上神社にウヂノワキを祀ってあります。
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