古事記の話

古事記を小説風に書き直してみました

イワナガヒメがいない!

オモイカネの自伝 32 その翌日、コノハナサクヤヒメとイワナガヒメがニニギさまのもとに輿入れする日です。 その日、わたくしはニニギさまのそばから離れておりました。 付近の豪族の会合によばれ、ニニギさまの名代として赴いていたのです。その夜は豪族た…

コノハナサクヤヒメと出会う

オモイカネの自伝 31 ニニギさまが高天原から日向に降臨して数か月。 このころになると、ニニギさまの日本統治も板についてきており、日々政務にいそしんでおられました。ご多忙の中にも充実された毎日を送られているご様子でありました。 そんなある日、ニ…

ナマコの災難

オモイカネの自伝 30 サルタビコを伊勢まで送り届けたウズメが戻ってきました。 「ウズメ、ご苦労だった」 ニニギさまが仰せになります。 ニニギさまのおそばに控えていたわたくしは 「ウズメ、道中、変わったことは無かったか?」 と声をかけました。 する…

サルタビコが帰る

オモイカネの自伝 29 ニニギさまは、高千穂の宮で日本の統治に乗り出しました。 そうこうしているうち、ニニギさまをくしふる嶽まで導いてきたサルタビコが故郷に帰ることになりました。サルタビコの故郷は伊勢の国だそうです。 ニニギさまはウズメを呼び出…

宮を造営する

オモイカネの自伝 28 サルタビコを先導に、ニニギさまの一行は高天原を発ちました。八重にたなびく雲をかき分け、天浮橋(あめのうきはし)をつたって地上の日本に向かっていきます。 途中、天の浮橋で立ち止まりました。 後ろを振り返ると、雲にかすんでは…

サルタビコ

オモイカネの自伝 27 地上から昇って来た神に、ウズメは大笑いしながら向き合います。地上から昇ってきたその神は、ウズメの裸の姿、大笑いに圧倒されています。 その神が、おずおずと口を開きました。 「・・・そなた・・・一体、どうしたのだ・・・」 ウズ…

ウズメが出てくる

オモイカネの自伝 26 ニニギさまは、地上の日本から昇って来た神の正体を確かめるよう、ウズメにお命じになりました。 そうこうしているうちにも、その神はどんどん昇ってきて、われわれの前に姿を現しました。 ・・・その姿・・・!! 鼻の長さは七咫(あた…

神が昇ってくる!!

オモイカネの自伝 25 ニニギさまが、わたくしたち多くの神々を従えて日本に降臨しようとしていた、その時でした。 地上の日本から、上は高天原を、下は日本を照らしながら、昇ってくる神が見えたのです。 われわれの中に、一気に緊張が広がりました。 ニニギ…

降臨の命が下る

オモイカネの自伝 24 日本の国はオオクニヌシからアマテラス大御神に譲渡されました。 アマテラス大御神は早速、長男のオシホミミさまを呼び出し、日本の統治者として降臨するようお命じになりました。 するとオシホミミさまは、 「そのお役目、息子のニニギ…

日本の統治権はアマテラスに

オモイカネの自伝 23 こうしてタケミカヅチをアマテラスの特使とし、オオクニヌシのもとに派遣することになりました。 副官としてアメノトリフネを添えることも決まりました。 こうしてアマテラス大御神の期待を背負って、タケミカヅチはアメノトリフネを従…

タケミカヅチ

オモイカネの自伝 22 アマテラス大御神がオオクニヌシのもとに派遣したホヒもワカヒコもその使命を果たさず、オオクニヌシに寝返ってしまいました。キジのナキメはワカヒコに射殺されました。そのワカヒコはわたくしの言霊がこもった矢によって誅殺されまし…

ナキメも帰ってこない・・・

オモイカネの自伝 21 日本に降りて帰ってこないワカヒコの事情を探らせるため、キジのナキメを降ろすことになりました。 ナキメはケーン、ケーンと甲高く泣きながら、日本に向かって飛んでいきました。 それから数日。 アマテラス大御神とわたくしは、神殿を…

ワカヒコも帰ってこない・・

オモイカネの自伝 20 ホヒ様に続き、ワカヒコがアマテラス大御神の特使としてオオクニヌシとの交渉のため、日本に降りていくことになりました。 ワカヒコは日本に降りていきました。しかし・・・ ワカヒコもなかなか戻ってきません・・・。1年、2年、3年・・…

ホヒが帰ってこない・・

オモイカネの自伝 19 アマテラス大御神の次男、ホヒさまがオオクニヌシとの交渉のため、日本に降りていくことになりました。日本の国をアマテラス大御神に譲渡してもらうために。 ホヒ様は天の浮橋を渡って日本の国に降りていきました。 しかし、ホヒさまが…

日本に特使を派遣する

オモイカネの自伝 18 アマテラス大御神の御子オシホミミさまは結局、日本の統治者になることはできませんでした。 アマテラス大御神は、天安河原に高天原の八百万の神々を集めました。 そして神々の前で仰せになったのです。 「日本の国は、本来日の神である…

日本の統治者は・・・

オモイカネの自伝 17 わたくしの名はオモイカネ。高天原でアマテラス大御神に仕えております。 アマテラス大御神が天岩屋に籠った騒動も収まり、世の中に光が戻りました。そして数百年もたったころでした。 高天原から地上を見ていたアマテラス大御神が仰せ…

スサノオから剣を献上される

オモイカネの自伝 16 こうしてわたくしの考えた筋書き通りに事は運び、アマテラス大御神は天岩屋からお出でになり、世の中には光が戻りました。 しかしこうなったのも、スサノオの大神の悪行が過ぎたからであります。このままにしておくわけにはいきません。…

光が戻った!!

オモイカネの自伝 15 祭りは最高潮に達しようとしていた時でした。 ・・・そこに神々を貫くように、一筋の光が差しました!・・・ 天岩屋の岩戸がわずかに細く開き、そこから一筋の光が差しているのです。 岩屋の外のこの騒ぎに、アマテラス大御神がお気づき…

ウズメが踊る

オモイカネの自伝 14 その時がやってきました。 高天原の八百万の神々は、天岩屋の前に集まりました。 「では、はじめましょう!!」 わたくしの声を合図に、天岩戸の前に山と積まれた薪に火がつけられました。火はしばらくすると、薪全体に回りました。大き…

準備

オモイカネの自伝 13 高天原の八百万の神々は、アマテラス大御神を天岩屋から外に出すために、わたくしが考えた作戦を決行することになりました。 まずは準備です。わたくしは神々に指示を出しました。わたくしの指示に従って神々が必要な品々を集めてきます…

アマテラスを外に!

オモイカネの自伝 12 あまりものスサノオの大神の悪行に愛想をつかされたアマテラス大御神は、天岩屋(あめのいわや)の中に入ると、岩戸を閉めて中に籠ってしまいました。 しかし・・・このため、世の中は大変なことになってしまいました。 何しろ、日の神…

天岩屋に籠る

オモイカネの自伝 11 わたくしは転がるように機織り小屋に飛び込みました。小屋の中はもうもうと立つ土煙で何も見えません。 「アマテラスさま~~!!」 わたくしが叫ぶと、アマテラス大御神の声が聞こえました。 「オモイカネ、こっちです!」 良かった!…

一体、何が・・・

オモイカネの自伝 10 その日、アマテラス大御神は、高天原の女神たちと一緒に、神殿内の機織り小屋に入っていました。機織り小屋の中では、神聖な神衣がおられていました。 機織り小屋のほうからは、キッコーン、カッコーンと、軽やかな織機の音が響いてきて…

スサノオの悪行

オモイカネの自伝 9 スサノオの大神は、勝ち誇ったように 「わたしの心が清く正しいことが証明されました!その証拠に、生まれた子は美しくか弱い女神だったではありませんか!!」 と、仰せになりました。 アマテラス大御神も 「確かにその通りです。疑って…

5人の男神が生まれた

オモイカネの自伝 8 次にスサノオの大神が仰せになりました。 「姉上、わたしは姉上が身に着けている、その勾玉をもらいましょう」 アマテラス大御神は黙って、左のみずら、右のみずら、髪を結んで入るカズラ、右の手、左の手から勾玉を外し、あわせて5個の…

三人の女神が生まれる

オモイカネの自伝 7 スサノオの大神が仰せにになられました。 「姉上・・・ならば、互いにうけいをして、子を産みましょう・・・」 こうしてアマテラス大御神とスサノオの大神のきょうだいは、互いに子を産むことになりました。人の世となった時代では考えら…

男装したアマテラス

オモイカネの自伝 6 スサノオの大神が天の浮橋を昇りきり、高天原に姿を現されました。 そして、アマテラス大御神は・・・ スサノオの大神を出迎えるために、男装されたのです。その時のお姿・・・ その長い髪の毛をみずらに結い直したのです。 そしてそのみ…

高天原が揺れた!

オモイカネの自伝 5 さて、アマテラス大御神とツクヨミの大神のきょうだいの騒動も収まり、しばらく月日がたった、ある日のことでありました。 突如、高天原がぐらぐら揺れだしました。 地震?!・・・いや、そんな馬鹿な!天の上にある高天原で地震など起こ…

五穀の起源

オモイカネの自伝 4 アマテラス大御神とツクヨミの大神は大喧嘩して、その時から昼と夜が分かれることになったのであります。 そして、ツクヨミの大神が神殿から出て行ったあと、アマテラス大御神はわたくしに向かって仰せになりました。 「オモイカネ、ご苦…

日と月

オモイカネの自伝 3 アマテラス大御神の遣いとして、ツクヨミの大神が、地上の日本にいるウケモチの神のもとに降りていきました。 そして数日の後、ツクヨミの大神が帰ってこられました。 神殿に戻ってきたツクヨミの大神にアマテラス大御神が言われました …