古事記の話

古事記を小説風に書き直してみました

スクナビコナの酒

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建内宿祢と御子ホムダワケは、大和に戻ってきた。

無事に禊を済ませて戻ってきた御子を見て、母の皇后オキナガタラシヒメは大喜びだった。

 

皇后は御子が帰ってくる日のために、酒を醸造して待っていた。

そして御子や建内宿祢、そして他に付き添って言った従者にも酒をふるまった。

 

母の皇后は皆の前で言う。

 

「この酒は、常世の国にいらっしゃる酒造の神、スクナビコナの神が祝福し、醸してお賜いになった酒でありますぞ!さあ皆、神の恵みの酒、召し上がれ!」

こうして御子にその神酒を差し上げた。

 

これを見て、建内宿祢は、御子のために答えて言った

 

「この酒は神が太鼓を持ち、臼の上に立って歌いながら、舞いながら醸した酒ですな。そのためでしょう、ああ、楽しい酒ですぞ」

 

こうして御子ホムダワケは、母の愛情を受けながら成長していった。

そして亡き父の跡を継いで第15代の天皇に即位した。後の応神天皇である。

 

また皇后オキナガタラシヒメはその功を称えて、後の世に神功皇后と言われるようになった。

 

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