こうして天皇とヤカハエヒメとの間に生まれた御子、ウヂノワキ。天皇は幼い御子を特にかわいがっていた。そして将来の皇位はウヂノワキに継がせたいと思うようになっていった。
ある日、天皇は御子のオオヤマモリとオオサザキを呼びだした。そして二人に
「そなたらは年長の子と幼い子と、どちらがかわいいと思うか」
と尋ねた。
天皇の心を知らないオオヤマモリは
「年長の子がかわいく思われます」
と答えた。
一方、オオサザキは天皇が考えていたことは分かっていた。それにカミナガヒメの件もありオオサザキは天皇には頭が上がらない。
オオサザキは
「年長の子は既に成長しており、何の心配もありません。しかし幼い子はまだ人として成長していないので、愛情を注いで育ててやる必要があると思われます。それを考えれば、幼い子のほうがかわいく思われます」
と答えた。
天皇は喜んで言った
「オオサザキ、そなたの言うことは、誠に私が考えている通りだ」と。
そして
「オオヤマモリ、そなたは山と海の政務を行いなさい。オオサザキ、そなたは国政の実務を行いなさい。ウヂノワキには次の皇位を継がせる」
と宣言した。
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☆山と海の政務を・・・
すなわち、オオヤマモリは農林水産大臣に任命されました。総理大臣のオオサザキや皇太子のウヂノワキより明らかに格下。
この人事に不満を持ったオオヤマモリは、この後・・(つづく)
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