古事記の話

古事記を小説風に書き直してみました

2021-10-01から1ヶ月間の記事一覧

御子たちのその後

オモイカネの自伝 35 コノハナサクヤヒメさまがお命を懸けて天の御子だと証明した三人の皇子。ホデリ、ホスセリ、ホオリと名付けられました。 次男のホスセリさまは残念ながら、病がもとで早逝いたしました。しかし長男のホデリさまと三男のホオリさまはすく…

炎の中で

オモイカネの自伝 34 コノハナサクヤヒメさまは仮宮の外に飛び出したかと思うと、そこにあった小屋に閉じこもってしまいました。 わたくしとニニギさまが急ぎ追いかけていくと、コノハナサクヤヒメさまは小屋の戸を内側から土で塗り固めていました。これでは…

コノハナサクヤヒメが飛び出した!

オモイカネの自伝 33 ニニギさまがお后としてコノハナサクヤヒメさまを迎え入れた翌日、ニニギさまは巡幸先の仮宮から高千穂宮にお戻りになられました。 お后のコノハナサクヤヒメさまは仮宮に残したままでした。何分急なことだったので、旅の準備も何もでき…

イワナガヒメがいない!

オモイカネの自伝 32 その翌日、コノハナサクヤヒメとイワナガヒメがニニギさまのもとに輿入れする日です。 その日、わたくしはニニギさまのそばから離れておりました。 付近の豪族の会合によばれ、ニニギさまの名代として赴いていたのです。その夜は豪族た…

コノハナサクヤヒメと出会う

オモイカネの自伝 31 ニニギさまが高天原から日向に降臨して数か月。 このころになると、ニニギさまの日本統治も板についてきており、日々政務にいそしんでおられました。ご多忙の中にも充実された毎日を送られているご様子でありました。 そんなある日、ニ…

ナマコの災難

オモイカネの自伝 30 サルタビコを伊勢まで送り届けたウズメが戻ってきました。 「ウズメ、ご苦労だった」 ニニギさまが仰せになります。 ニニギさまのおそばに控えていたわたくしは 「ウズメ、道中、変わったことは無かったか?」 と声をかけました。 する…

サルタビコが帰る

オモイカネの自伝 29 ニニギさまは、高千穂の宮で日本の統治に乗り出しました。 そうこうしているうち、ニニギさまをくしふる嶽まで導いてきたサルタビコが故郷に帰ることになりました。サルタビコの故郷は伊勢の国だそうです。 ニニギさまはウズメを呼び出…

宮を造営する

オモイカネの自伝 28 サルタビコを先導に、ニニギさまの一行は高天原を発ちました。八重にたなびく雲をかき分け、天浮橋(あめのうきはし)をつたって地上の日本に向かっていきます。 途中、天の浮橋で立ち止まりました。 後ろを振り返ると、雲にかすんでは…

サルタビコ

オモイカネの自伝 27 地上から昇って来た神に、ウズメは大笑いしながら向き合います。地上から昇ってきたその神は、ウズメの裸の姿、大笑いに圧倒されています。 その神が、おずおずと口を開きました。 「・・・そなた・・・一体、どうしたのだ・・・」 ウズ…