ハヤブサワケとメドリを追い詰め、誅殺した皇軍。皇軍の指揮をとっていた将軍はオオタテだった。
オオタテは斬られたメドリの体から、腕に巻かれていたきれいな玉飾りを戦利品として取った。
そして自分の妻にその玉飾りを与えたのである。
さて、その後、新嘗祭の饗宴の席。皇后イワノヒメは自ら柏の杯をもって、参列していた諸家の妻たちに酒を配っていた。
皇后と妻たちと親しく談笑しながら、和やかに饗宴は進んでいた。
しかしオオタテの妻のもとに皇后が来たとき・・・腕に巻いている玉飾りが皇后の眼にとまった。皇后の動きが止まる。
何事かと一同、皇后のほうを見つめる。皇后の表情がたちまち険しくなるのが分かる。
皇后は、酒も渡すことなく、
「そなたは直ちに出ていきなさい!」
と、すぐにオオタテの妻を退席させたのである。
皇后は、オオタテの妻が腕に巻いていたその玉飾りを見て、メドリが持っていたものだとすぐに分かった。
皇后は言った
「ハヤブサワケとメドリは天皇に謀反の心があったので、殺されても仕方ありません。しかしそれでも二人はアマテラス大御神の血を引く皇族です。しかもオオタテはハヤブサワケにも仕えたことがあったはずです。
それをまだ温かさが残っている腕からはぎ取って、自分の妻に与えるとは・・人の道に外れることです。」
そしてオオタテを極刑に処したという。
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☆なんとも理不尽な・・
気分次第で死刑にされたほうはたまんないだろうな・・・最も今もそんな国が日本のそばにあるが・・
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