古事記の話

古事記を小説風に書き直してみました

「古事記の話」にお越しいただきありがとうございます

古事記を小説風に書き直してみました。

 

古事記を基本としつつ、話によっては日本書紀風土記のエピソードも取り入れながら構成しています。

 

☆わたしは古代史好きの素人であり、学者でも専門家でもありません。ネットで調べ調しながら書いており、また皆様に興味を持ってもらえるよう、わかりやすく面白く編集しております。

そのため専門的・学術的な解釈から見れば間違っているところもあるかと思います。ご了承ください。

 

☆参考文献

  中村啓信「新版古事記」角川文庫

  坂本太郎家永三郎井上光貞大野晋「日本書記(一)~(三)」岩波文庫

  中村啓信「風土記 上・下」角川文庫

  萩原千鶴「出雲国風土記講談社学術文庫

 

 

古事記の話 目次

 

白鳥となって

ヤマトタケルの自伝 後伝 3(キビノタケヒコの自伝)

 

 

 

「あ!・・・あれは・・・!」

御子のひとりが叫んだ。その声に、一同は御陵のほうを見上げた。

 

するとそこには、一羽の大きな白鳥が御陵の頂上に居た・・・

どこから現れたのだろうか、まるで御陵の中から忽然と現れたようだ・・・

 

我々はすぐに確信した!あの白鳥は、ヤマトタケルさまの御魂の生まれ変わりだと!!

 

白鳥は大きく翼を広げたかと思うと、御陵を飛び立った・・・悠々と羽を広げて、西のほうへ飛んで行く・・・

 

「あれはヤマトタケルさまの生まれ変わりだ!」

「飛んで行くぞ!」

「追いかけろ!」

 

后と御子たちは、口々に叫ぶと白鳥を追いかけだした。我々、ヤマトタケルさまの従者も彼らについていった。

 

(画像は写真ACより)

 

白鳥は飛んで行く・・・野を越え、田を越えて・・・

 

追いかける后と御子たちは、藪に踏み込み、刈り取った後の田の切り株に足をとられ、足は切れて血が滲みだしていた。

しかしその痛みも忘れて、悲しみに泣きながら追いかけていった。

 

御子のひとりが歌を詠む

 

   腰までの 藪をかき分け 進みゆく

   空を飛べない このもどかしさ

 

白鳥は海岸線に沿って飛んで行った。

后のひとりが歌を詠む

 

   腰までも まとわる海を 分け歩く

   海藻のように 進まぬ我が足

 

そして白鳥は、磯に降り立った。

そのとき、御子のひとりが、白鳥に語り掛けるように歌を詠んだ。

 

   我が君の 御魂の宿る 白鳥よ

   海にはいかず 磯に居てくれ

 

御子と后が読む歌の数々・・・いかにヤマトタケルさまが慕われていたか、よくわかる・・・

 

しかし、そこからまた再び白鳥は飛び立った。そして白鳥は、河内国の志幾に降り立ったのである。

 

そして、白鳥は・・・

 

・・・そこから再び飛び立ったかと思うと、遠い大空かなたに見えなくなっていったのであった・・・

 

我々は、ヤマトタケルさまの御魂を見送った後、最後に白鳥が降り立ったその地にも御陵を造ったのであった。

 

  ― ヤマトタケルの自伝 後伝(キビノタケヒコの自伝) 完 ―

 

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ヤマトタケルの自伝 目次

 

 

 

☆白鳥陵

 

古事記では能褒野の陵墓から飛び立った白鳥は、河内の志幾に降り立ち、そこから天高く飛び立っていった、と記載されています。

 

日本書紀では白鳥は大和の琴弾原(ことひきのはら)に降り、そこにとどまった後、河内の旧市邑(ふるいちのむら)に降り、そこから天に昇って行った、と記載されています。

 

先述の「能褒野王塚古墳」、および白鳥となったヤマトタケルが降り立った場所に作られた奈良県御所市の「琴弾原白鳥陵」、大阪府羽曳野市の「軽塚王塚古墳」の三つを「白鳥陵」(しらとりのみささぎ)と総称しています。

 

(大和)白鳥陵 新陵墓探訪記

(河内)白鳥陵 新陵墓探訪記

 

ヤマトタケルの自伝、完結します

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

しばらくお休みを頂いた後、次は神功皇后の語りで自らの自伝をつづっていきたいと思います。ツイッターアカウントは神功皇后に仕えた武内宿祢が引き継ぎますが、物語を始めるまで一時的に中の人の狩場拓郎がツイートを続けていきます。

 

引き続きよろしくお願いいたします。

 

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