古事記の話

古事記を小説風に書き直してみました

オオサザキは建内宿祢に・・

 

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天皇はある日、日向に住むカミナガヒメが、とても美しいという話をきいた。そこで天皇はカミナガヒメを自分の后として迎えるべく、大和に召し出した。

 

カミナガヒメは船で瀬戸内海を上り、難波の津についた。

天皇は自分の息子のオオサザキを呼び出した。そして港までカミナガヒメを迎えに行き、自分のもとに連れてくるよう命じた。

 

父の天皇から命を受けたオオサザキ、早速カミナガヒメの滞在している難波の津の屋敷に向かった。そして、カミナガヒメと対面した瞬間・・

 

美しい!脳天に衝撃が走ったようだった。

ぜひ、自分の嫁に欲しい!!・・・

 

しかし、天皇の命令に背くわけにはいかない・・・

 

思い出すのはヤマトタケルと兄オオウス、その兄弟の父の景行天皇のエピソードである。

この話は、建内宿祢(たけうちすくね)からよく聞かされていた。

 

今日のように景行天皇からの命令で、天皇の后となる娘を迎えに行ったヤマトタケルの兄オオウス。しかしオオウスもその娘の美しさに自分の嫁にしてしまい、天皇には別の娘を差し出した。しかしすぐにばれて天皇と気まずくなり、挙句の果てに弟のヤマトタケルに殺されてしまったのだ・・

 

まさか、殺されることは無かろうが、父の天皇と気まずくなるのは避けたいものだ・・建内宿祢が話してくれた、先帝のようにはならないためには・・・

 

・・ん?建内宿祢?そうだ!

 

オオサザキは建内宿祢を頼ることにした。何しろ彼は、その景行天皇の御代からずっと皇室に仕えてきている。それだけに皇室、特に天皇からは多大な信頼を得ている。

 

そして彼は、父の天皇も赤子のころから世話している。彼ならきっとうまく間を取り持ってくれるに違いない・・・

 

大和に帰りついたオオサザキは、カミナガヒメを連れたまま、まっすぐ建内宿祢のもとに向かった。

 

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