ヤマトタケルの自伝 14
わたしは叔母のヤマトヒメと別れて、尾張の国に来ていた。
尾張の国造(くにのみやつこ/古代の地方長官)は、わたしを歓迎してくれた。わたしは国造の屋敷にしばらく滞在していた。
ところで国造には一人の娘がいた。名をミヤズヒメという。
ミヤズヒメは一目見たら忘れられないほどの、絶世の美人であった。
数日滞在するうちにわたしはミヤズヒメに魅かれるものを感じていた。
・・・それはミヤズヒメも一緒であった。そう、我々は互いに恋に落ちてしまったのだ。
しかし、わたしは東征の途中である。その使命を放り出してここでミヤズヒメと一緒になるわけにはいかない。
「無事に東国を平定して戻ってきたら、必ずそなたを后として迎え入れよう。それまで待っていてくれ!」
わたしはミヤズヒメの手をしっかり握手約束した。
そして、世話になった国造に別れを告げて、東国を目指して旅立っていった。
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☆氷川姉子神社
ミヤズヒメ(美夜受比売)は尾張国造の娘です。
現在の名古屋市緑区に住んでいたと云わっており、その屋敷跡に建てられたのが熱田神宮摂社の氷川姉子神社です。主祭神としてミヤズヒメを祀っております。
≪ミヤズヒメの屋敷があった場所と云われる氷川姉子神社元宮≫
☆知立神社
ヤマトタケルはこうして東征に旅立っていくわけですが、その途上現在の愛知県知立市で武運を祈願しました。
無事に帰還し、奉賽(お礼参り)のためその地に建立したのが三河国二宮である知立神社です。
≪知立神社拝殿≫
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