ハルヤマノカスミの自伝 3
その日の夕食時、わたしは母上に、その日の異母兄アキヤマノシタヒとの出来事をつぶさに話した。
すると母上は、
「そうですか・・ならば母が一肌脱いでみましょう」
と言った
「母上・・いったい何をされるのですか?」
「ふふ・・それは明日の朝までのお楽しみ」
母上は意味あり気に笑うと、奥の部屋に入っていた。
そして、その翌朝・・・
「これを着て、イズシオトメさまのもとに行きなさい。そうすれば、すべてはそなたの意のごとく、物事はうまく進んでいくでしょう」
母上から渡されたもの・・
それは、藤の蔓で編んだ上衣に袴、足袋、靴だった。
さらに藤の蔓の弓矢もあった。
母上は、一晩でこれだけのものを造ったというのか・・・
「今日、これを着てイズシオトメ様の屋敷に出向きなさい。そして屋敷の厠の前にこの藤の蔓の弓矢をかけておくのです。
そうすれば、すべてうまくいきますよ」
と、母上は申されたのだった。
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