オモイカネの自伝 1
わたくしの名はオモイカネと申します。
わたくしは高天原に生まれた神であります。そして高天原ではアマテラス大御神に仕えてまいりました。そしてアマテラス大御神からの御命令で、ニニギさまのお伴をして日向の高千穂に降りてきたのでございます。
わたくしの父はタカミムスビ、この世で初めて生まれた造化三神の一人であります。母はおりません。わたくしはアマテラス大御神やスサノオの大神と同じく、母は無くして父親から生まれてきたのでございます。悠久の昔、神代の時代ならではのことでありましょう。
そしてわたくしには妹が一人おります。名をトヨアキツシヒメと申します。
トヨアキツシヒメはアマテラス大御神の御子、オシホミミさまの后となりました。そして生まれた子がニニギさまであります。
日本に降りてきてからもニニギさまに仕えてまいりました。しかし、高天原から来た天つ神であっても、日本に降りてきてからは、寿命というものができたようです。
わたくしも例外ではなく、わたしの命の灯も間もなく消えようとしております。
ただひたすら天の御子に仕えて高天原から日本に降りてきたわたくしの生涯、命が尽きる前に、こうして書き残しておきたいと思います。
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☆オモイカネ
いつも拙ブログをご覧いただきありがとうございます。今日から日本神話の名脇役であるオモイカネの視点から高天原神話を書いていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
オモイカネ(思金神)はその名の通り知恵の神様です。高天原で難題が起きると、その頭脳を働かせて問題解決に導きます。
天孫降臨でニニギに随伴して日本に降りた後、その子孫は信濃国で信乃阿智祝部(しなののあちのほうりべ)の祖に、また武蔵国で知々夫国造(ちちぶのくにのみやつこ)の祖になったと云われています。
戸隠神社中社のほか、阿智祝部、知々夫国造に関連する神社などで祀られています。
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