オモイカネの自伝 2
わたくしが高天原で、タカミムスビの子として生まれてしばらくしてのことでございます。
地上の日本から、それは尊い二人の神様が昇ってまいりました。このお二人は、日本をおつくりになったイザナギの大神の御子でありました。
おひとりは日の女神、アマテラスといいました。太陽神であるだけに、それはそれは神々しい光を放照れていました。
もうひとりは月の男神、ツクヨミといいました。月の神様も優しい光に包まれておりました。
イザナギの大神にはもう一人、スサノオという神様もお産みになられております。ただ、スサノオの大神には海原を統治するようイザナギの大神から命じられており、この時は高天原には昇ってこられておりません。
アマテラス大御神とツクヨミの大神は、その光で明るく世を照らし、多くの恵みを日本に降り注がれておりました。
わたくしは高天原で、この二人の大神に仕えておりました。
そんな、ある日のことでした。
アマテラス大御神のもと豊穣祭を行うこととなりました。そこで、地上の日本にいるウケモチの神を祭りに招くことになったのです。ウケモチとは食物の神であります。
そして、アマテラス大御神の遣いとして、ツクヨミの大神が日本のウケモチの神のもとに降りていくことになりました。
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☆ツクヨミ
ツクヨミ(月読命)はアマテラス、スサノオと同時に生まれた、イザナギの三貴神のひとりです。しかし高天原神話がアマテラスとスサノオを中心に進行するのに対し、ツクヨミは全く出てきません。
古事記には出生の記述があるだけで、日本書紀でも別伝として収録してある「一書(あるふみ)」にわずかに事績の記述があるだけです。
ツクヨミは伊勢神宮内宮の別宮である月読宮、伊勢神宮外宮の別宮である月夜見宮に祭られています。
また京都の月読神社をはじめ、各地の月読神社でも祀られています。ただし壱岐島の月読神社を元宮とするこれらのツキヨミの神は、記紀神話で語られるツクヨミとは別系統の神だとも云われています。
wikipedia 月読神社(京都)
wikipedia 月読神社(壱岐)
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