オモイカネの自伝 18
アマテラス大御神の御子オシホミミさまは結局、日本の統治者になることはできませんでした。
アマテラス大御神は、天安河原に高天原の八百万の神々を集めました。
そして神々の前で仰せになったのです。
「日本の国は、本来日の神である、わたしの子孫が治めるべき国であります。しかしこのままでは、オオクニヌシのものになってしまいます。日本の国はわたしの手に取り戻さなければなりません。
そのためにはどうすればよいだろうか」
アマテラス大御神はこう仰せになりましたが、いきなり言われてもなにをどうすばいいのやら・・・なかなかまとまりません。
そこで、わたくしは申し上げました。
「とにかくまずは、地上の日本を支配しているオオクニヌシと交渉し、日本の統治権を譲渡してもらわねばなりません。そのためにアマテラス大御神の特使としての神を日本に派遣してみてはいかがでしょう」
この提案に八百万の神々は賛成しました。
アマテラス大御神は
「では、どの神を派遣したらよいでしょう」
と仰せになりました。
わたくしは
「アマテラス大御神の次男、ホヒ様はいかがでしょう。ホヒ様は頭脳聡明で優れた神であります。この役には適任と思われます」
とお答え申し上げました。
これに、アマテラス大御神も八百万の神々も賛成され、ホヒ様がアマテラス大御神の特使として地上の日本に降りていくことが決まったのでございます。
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☆天安河原
アマテラスが岩屋に籠った時、地上の日本に派遣する神を決めるとき、神様は天安河原に集まります。
その地は天の上の高天原にあるはずですが、地上の日本にも高千穂の天岩戸神社をはじめ、各地に天安河原だとの伝承地が存在しています。
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