わたしと姉アマテラスは、こうして天の安河をはさんで子を産んだ。
わたしがアマテラスにわたした剣からは三人の女神が産まれ、アマテラスから私にわたされた勾玉からは五人の男神が産まれた。
わたしは「しめた!」と思った。
剣はわたしのものであった。その剣から生まれた三人の女神はわたしの子だ。
対してアマテラスの勾玉から生まれた五人はアマテラスの子なのだ。
はたして、アマテラスは私に向かって言った。
「先に生まれた三人の女神は、そなたの持ち物から生まれたのでそなたの子です。後に生まれた五人の男神は、私の持ち物から生まれたわたしの子です。」
そう、アマテラスも女神たちはわたしの子だと認めた。わたしは「勝った」と内心喜んだ。
しかしその感情は表には出さずに、わたしは冷静にアマテラスに申し上げた。
「姉上、ご覧ください!わたしの心は清らかで正しいことが証明されたではありませんか。その証拠に、わたしからは、美しくしとやかな女神が産まれました。
姉上、これでもなお、わたしの心がやましいと思われるのですか」
こういうと、アマテラスも認めたのである。
「確かにその通りですね。疑って悪かった」と・・・
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☆うけいで生まれた子
この時産まれたスサノオの子である3人の女神は、先に申し上げた通り宗像大社に鎮座されています。
一方、アマテラスの子である五人の男神。このうち長男のオシホミミは現在に続く皇室の祖先です。福岡の英彦山神宮で祀られています。
また次男のホヒは出雲国造(いずものくにのみやつこ)となり、ホヒの子孫が代々の出雲国造を継いでいます。
島根県松江市の神魂神社(かもす神社)はホヒが創建したと云われています。
≪神魂神社≫
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