古事記の話

古事記を小説風に書き直してみました

シタテルヒメとワカヒコ

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高天原からホヒがわたしのもとに降りてきて、出雲国造になり3年の月日が経った。高天原では日本の支配権をわたしからアマテラスのもとに移譲させようと画策しているらしい・・

 

そんな折、わが娘、シタテルヒメがわたしのもとを訪ねてきた。シタテルヒメは九州の宗像にいるタキリヒメとの間に生まれた子で、同母の兄にアジスキタカヒコネがいる。

 

「父上、お久しぶりでございます」

「おう、シタテルヒメか!しばらく見ないうちにずいぶんときれいになったな!おや、アジスキタカヒコネも一緒か・・・ん・・・?

 

・・・お前、誰だ?アジスキタカヒコネではないな?」

 

シタテルヒメの横には凛々しい青年が立っていた。

わたしは一瞬、兄のアジスキタカヒコネも一緒に来たのかと思った。しかしそっくりだが、よく見ると、違う・・・

 

「ふふ、父上!兄にそっくりでしょう。でも違うのです。高天原から降りてきた神様です!」

 

シタテルヒメは無邪気に答える。しかし、高天原、と聞いてわたしのこころは曇る・・

 

その神が口を開いた

オオクニヌシさま、ワカヒコと申します。よろしくお願いいたします。」

 

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オオクニヌシの自伝 目次

 

 

☆タキリヒメ

 

シタテルヒメ・アジスキタカヒコネの母、タキリヒメはスサノオとアマテラスのうけいで生まれた宗像三女神の一人です。宗像大社沖津宮に鎮座されています。

沖津宮がある玄界灘沖ノ島は今も一般人の上陸は厳しく制限され「神の島」として知られています。

 

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