白鳥を見ても、ホムチワケは言葉を発することは無かった。天皇は息子が離さないことに心を痛めていた。
そんな折、天皇が寝ているときに、夢の中に一人の神が現れていった。
「そなたの御子が言葉を話さないのは、わたしの神祟である。私は昔、神殿を建ててもらい、そこに鎮まっていた。しかしその後、私は忘れ去られ、神殿は荒れ果てたままになっているのだ。そなたの御子が私のもとに参拝し、私の神殿を天皇の宮と同じ様に立派に整えてもらえれば、そなたの御子はきっと言葉を話すようになるであろう」
ここで天皇は目が覚めた。
いやにはっきりした夢だ・・・神のお告げか・・・しかし何の神なんだろう・・
そこで、神官に命じて、どの神のお告げかフトマニの占いを行わせた。
フトマニの結果は「これは出雲のオオクニヌシの大神のお告げである」というものだった。
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