言葉が話せるようになったホムチワケは、ヒナガヒメと一夜を共にした。
そしてその翌朝・・・
ホムチワケの横には、ヒナガヒメが寝ている。
ホムチワケは先に目を覚まし、旭日の光に照らされたヒナガヒメを抱き寄せた。
そこには美しい少女がいるはず・・・だったが・・・
ホムチワケが抱き寄せたもの・・・
・・蛇・・だった!
ホムチワケは驚き、飛び上がった!
すぐさま脱兎のごとく逃げ出した。全裸の体に、とにかく手にした上着を一枚はおっただけの姿で・・
「ホムチワケさまー!なぜ逃げるのですかー!」
ヒナガヒメは蛇の姿のまま、ホムチワケを追いかけた。ホムチワケは恐れをなし、ますます全速力で逃げる!
出雲の海岸まで逃げたホムチワケは、小舟に乗って海まで逃げだした。
しかし蛇のヒナガヒメは、海を照らしながら宙を飛んで追ってくる!
ホムチワケは青ざめて岬に上陸すると、峠を越え、大和に逃げ帰った。
「お父様!助けてください!蛇が・・蛇がおってくる!」
なんとか宮までたどり着いたホムチワケは、父の天皇を見るとすがり付いた。
「おお、ホムチワケ!お前、本当にしゃべれるようになったんだな!」
「お父様!そんなことより、蛇が‥!」
「ん?・・何もいないが」
さすがの蛇のヒナガヒメも、大和の手前で追うのをあきらめていた。
天皇はホムチワケが話せるようになったことを大変喜び、ウナカミを再び出雲に引き返させ、オオクニヌシの神殿の造営にあたらせた。
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