古事記の話

古事記を小説風に書き直してみました

出雲に向かう

 

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フトマニの占いの結果を聞いた天皇は、早速ホムチワケを出雲に向かわせることにした。

 

さらに天皇ホムチワケの従者に誰を副えて遣わせばよいか占わせた。結果は「アケタツを副えて向かわせよ」というものだった。

 

そこで天皇はアケタツにうけい(誓約)をさせた。

 

アケタツは「オオクニヌシの大神を拝むことによってホムチワケが言葉をしゃべるようならば、池の樹に住む鷺よ、木から落ちろ!」と言った。

 

すると、言われた通り樹にとまっていた鷺は樹から落ちて死んでしまった。

 

アケタツは「これが真ならば鷺よ、生き返れ!」と言った。

すると、死んだはずの鷺はみな生き返った。

 

また同じように樫の樹でもうけいをおこなってみた。ここでもアケタツの言う通り、樫は枯れて葉は落ち、すぐにまた生き返った。

 天皇はこのうけいの結果に満足し、ホムチワケとアケタツを出雲に出立させた。アケタツの弟ウナカミも護衛のために添わせることにした。

 

アケタツとウナカミは

「奈良山越えの道や大坂越えの道は、足が立たない者、目が見えないものが数多くたむろしています。これらのものを御子にお見せするのは良くありません。木の国に通じる道を通って出雲に向かいましょう」

 

と言って、紀伊を通って出雲にむかっていった。

 

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☆木の国から出雲へ

 

「奈良から京都や大阪に出る道は障害者がいて縁起が悪いから、和歌山のほうから回っていこう」ということです。

古代のことですし、神代のころ先天性障害児のヒルコは海に遺棄されています。現代の感覚で批判しても意味ありませんね。

 


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