イクヨリタマビメはとても美しい娘でした。姫の両親は悪い男が寄ってこないようにと、姫を屋敷の奥に隠し、姫の部屋の戸には鍵をかけて誰も出入りができないようにしていました。
しかし、それにも関わらす、姫は身ごもったのです。両親は姫に相手は誰かと問いただしました。
姫が言うには、
「とても立派な青年が現れたのです。その青年の氏素性は分かりません。ある夜、突然現れて、それからは毎晩のようにやって来ては、私と朝まで一緒に居りました。そうやって過ごすうちにみごもりました。」
そこで両親は、麻糸を姫にわたして、次に男が来たときにはこの麻糸を男の着物の裾にこっそり縫いつけなさい、と言いました。
その晩、姫は言われた通り、青年が帰る間際に、気づかれないようにこっそり麻糸を着物の裾に縫い付けました。
翌朝、麻糸は三巻だけ残っていました。そしてその糸は、戸の鍵穴から外に出ていました。その糸をたどっていくと、美和山のオオモノヌシの神の社まで入っていました。こうして、イクヨリタマビメをみごもらせたのはオオモノヌシの神だとわかったのです。
この時、みごもった子の末裔がわたくし、オオタタネコです。
糸が三巻だけ残っていたので、その地を美和（三輪）というようになったそうです。
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古事記上巻 日本神話 目次
古事記中巻 神武天皇～応神天皇 目次
☆三輪山伝説
山そのものが御神体とされる三輪山ですが、その名の由来が語られました。
しかし、トイレで強姦した後は、若い娘の部屋に鍵穴から両親にも知られず忍び込み孕ませるとは・・・すごい「神様」だ・・・
