古事記の話

古事記を小説風に書き直してみました

オオクニヌシ、日本を支配する

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出雲の国に帰ってきたオオアナムヂ改めオオクニヌシは、正に無敵だった。

 

スサノオが見抜いた通り、もともとオオクニヌシは国の統治者としてふさわしい素質を持っている。そしてスサノオの数々の試練を乗り越えて、今までのような強い者の陰に隠れる存在では無くなっていた。理不尽な者、自分に逆らう者に対しては自ら攻めていき、自分の正義を通すようになっていた。

 

スサノオから授かった太刀と弓の前に敵は無かった。琴は的確な神饌を与えてくれた。たちまちのうちにオオクニヌシは、かつて自分を虐げていた異母兄たちを攻め伏せ、自分の配下に置いていった。オオクニヌシの配下に下ることを拒否する異母兄は、遠慮なく攻め滅ぼしてしまった。

 

オオクニヌシは出雲を平定したかと思うと、さらに日本全国にその支配を広げていった。

 

支配者となってもその情け深い心は変わらず、民の幸せを願ってまつりごとを行ったため、日本中の民がオオクニヌシを慕うようになっていった。

 

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古事記の話 目次

 

 

 

 

☆だいこくさま

 

♪ 大きな袋を肩にかけ

 だいこくさまが来かかると

 そこに因幡の白うさぎ

 皮をむかれて赤裸

 

唱歌「だいこくさま」の歌詞ですが、この歌を知っている世代も残り少なくなりました。

 

七福神の大黒天はインドの神で、本来オオクニヌシ大国主命)とは無関係です。しかし読みが「ダイコク」に通じ、袋を担いでいることなどから、神仏習合の時代に同一視されるようになりました。

 

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