古事記の話

古事記を小説風に書き直してみました

オオクニヌシの自伝 プロローグ

 

f:id:karibatakurou:20200901112859j:plain

 

わたしの名はオオクニヌシ。はるかな昔、出雲の国で生まれた神である。

 

最もオオクニヌシというのは、後にわたしが日本の国を統治するようになってからの名である。若いころのわたしはオオナムヂと呼ばれていた。

 

父の名はアメノフユキヌ。父はスサノオから数えて5代目になる。

そう、人々を苦しめていたヤマタノオロチを退治し、出雲の英雄と名が高いスサノオである。

 

私はスサノオの血を引く家系に生まれてきたのだ。私でスサノオから数えて6代目ということになる。

 

ちなみに母の名はサシクニワカヒメという。私に身の危険が迫った時、母はたびたびわたしを助けてくれた。おいおいその話もしていこうと思う。

 

わたしの父と母の間にはきょうだいはいない。

しかし父はほかにも妻がおり、そして大勢の異母兄がわたしにはいた。父にとってわたしは末の子である。

八十神(やそがみ)と言われる大勢の異母兄たちの中に混じって、末っ子のわたしは目立たない存在だった。いやむしろ、異母兄たちには下働きか召使い同然に、いいように使われていた。

 

そんなわたしがどうやって日本の統治者になれたのか、今からその話を語っていこう。

 
次>>> 異母兄たちの袋を担ぐ - 古事記の話



オオクニヌシの自伝 目次



≪リンク≫
 
小説古事記

古事記ゆかりの地を訪ねて
カリバ旅行記 本日更新
温泉の話
駅弁の話
鉄道唱歌の話  本日更新