わたしの名はオオクニヌシ。はるかな昔、出雲の国で生まれた神である。
最もオオクニヌシというのは、後にわたしが日本の国を統治するようになってからの名である。若いころのわたしはオオナムヂと呼ばれていた。
父の名はアメノフユキヌ。父はスサノオから数えて5代目になる。
そう、人々を苦しめていたヤマタノオロチを退治し、出雲の英雄と名が高いスサノオである。
私はスサノオの血を引く家系に生まれてきたのだ。私でスサノオから数えて6代目ということになる。
ちなみに母の名はサシクニワカヒメという。私に身の危険が迫った時、母はたびたびわたしを助けてくれた。おいおいその話もしていこうと思う。
わたしの父と母の間にはきょうだいはいない。
しかし父はほかにも妻がおり、そして大勢の異母兄がわたしにはいた。父にとってわたしは末の子である。
八十神(やそがみ)と言われる大勢の異母兄たちの中に混じって、末っ子のわたしは目立たない存在だった。いやむしろ、異母兄たちには下働きか召使い同然に、いいように使われていた。
そんなわたしがどうやって日本の統治者になれたのか、今からその話を語っていこう。
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