オモイカネの自伝 5
さて、アマテラス大御神とツクヨミの大神のきょうだいの騒動も収まり、しばらく月日がたった、ある日のことでありました。
突如、高天原がぐらぐら揺れだしました。
地震?!・・・いや、そんな馬鹿な!天の上にある高天原で地震など起こるはずもありません。しかし揺れはだんだんひどくなってきます。
わたくしは直ちに、配下の神に命じてこの揺れの原因を探らせました。
すぐに報告が上がってきました。
「オモイカネさま!スサノオの大神が天の浮橋を伝って高天原に昇ってきています!この揺れはそれが原因です!!」
スサノオの大神!・・・
イザナギの大神がお産みになった三貴神のひとりで、アマテラス大御神の弟君に当たる神であります。
しかし、あまり良いお噂は聞きません。
イザナギの大神に海原を統治するよう命じられましたが、海にはいかず毎日泣いていた。その泣き声で地上の日本では山は枯れ、川や海は干上がってしまったそうでございます。
しかしなぜ今、スサノオの大神が高天原に昇ってきているのでありましょうか・・・
何はともあれ、わたくしはアマテラス大御神の神殿に駆け付け、このことをご報告いたしました。
アマテラス大御神は
「あのわがままで乱暴者のスサノオが高天原に昇ってきているのは、決して良き心からではないでしょう。さては、この高天原を自分のものにしようと、乗っ取りに来ているのではあるまいか・・・」
と、仰せになりました。
・・・そして・・・
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☆スサノオ
三貴神の末弟であり、イザナギが最後に産んだ神です。オオクニヌシと並んで出雲神話で中心的な役割の神として知られています。
スサノオが宮を営んだ須我神社をはじめ、八重垣神社・須佐神社・熊野大社など出雲地方の各地で祀られています。
また、神仏習合の時代、釈迦が生まれた祇園精舎の守護神である牛頭天王(ごずてんのう)と同一視されました。京都の八坂神社はもともと牛頭天王を祀っていましたが、明治の神仏分離令に伴いスサノオが祭神とされました。
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