古事記の話

古事記を小説風に書き直してみました

2021-08-01から1ヶ月間の記事一覧

日本の統治者は・・・

オモイカネの自伝 17 わたくしの名はオモイカネ。高天原でアマテラス大御神に仕えております。 アマテラス大御神が天岩屋に籠った騒動も収まり、世の中に光が戻りました。そして数百年もたったころでした。 高天原から地上を見ていたアマテラス大御神が仰せ…

スサノオから剣を献上される

オモイカネの自伝 16 こうしてわたくしの考えた筋書き通りに事は運び、アマテラス大御神は天岩屋からお出でになり、世の中には光が戻りました。 しかしこうなったのも、スサノオの大神の悪行が過ぎたからであります。このままにしておくわけにはいきません。…

光が戻った!!

オモイカネの自伝 15 祭りは最高潮に達しようとしていた時でした。 ・・・そこに神々を貫くように、一筋の光が差しました!・・・ 天岩屋の岩戸がわずかに細く開き、そこから一筋の光が差しているのです。 岩屋の外のこの騒ぎに、アマテラス大御神がお気づき…

ウズメが踊る

オモイカネの自伝 14 その時がやってきました。 高天原の八百万の神々は、天岩屋の前に集まりました。 「では、はじめましょう!!」 わたくしの声を合図に、天岩戸の前に山と積まれた薪に火がつけられました。火はしばらくすると、薪全体に回りました。大き…

準備

オモイカネの自伝 13 高天原の八百万の神々は、アマテラス大御神を天岩屋から外に出すために、わたくしが考えた作戦を決行することになりました。 まずは準備です。わたくしは神々に指示を出しました。わたくしの指示に従って神々が必要な品々を集めてきます…

アマテラスを外に!

オモイカネの自伝 12 あまりものスサノオの大神の悪行に愛想をつかされたアマテラス大御神は、天岩屋(あめのいわや)の中に入ると、岩戸を閉めて中に籠ってしまいました。 しかし・・・このため、世の中は大変なことになってしまいました。 何しろ、日の神…

天岩屋に籠る

オモイカネの自伝 11 わたくしは転がるように機織り小屋に飛び込みました。小屋の中はもうもうと立つ土煙で何も見えません。 「アマテラスさま~~!!」 わたくしが叫ぶと、アマテラス大御神の声が聞こえました。 「オモイカネ、こっちです!」 良かった!…

一体、何が・・・

オモイカネの自伝 10 その日、アマテラス大御神は、高天原の女神たちと一緒に、神殿内の機織り小屋に入っていました。機織り小屋の中では、神聖な神衣がおられていました。 機織り小屋のほうからは、キッコーン、カッコーンと、軽やかな織機の音が響いてきて…