古事記の話

古事記を小説風に書き直してみました

ウズメが踊る

 オモイカネの自伝 14

 

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その時がやってきました。

高天原八百万の神々は、天岩屋の前に集まりました。

 

「では、はじめましょう!!」

わたくしの声を合図に、天岩戸の前に山と積まれた薪に火がつけられました。火はしばらくすると、薪全体に回りました。大きく燃え上がった火は辺りを明々と照らしました。

 

こけこっこ~~!

こけーっ! こけこっこ~~!!

 

長鳴鳥が一斉に鳴き始めました。かがり火の明るさに、朝と勘違いしたのです。

ここでコヤネがのりとを唱え始めました。

 

その間に力持ちのタヂカラオは天岩屋の陰に隠れ、踊り子のウズメは逆さに臥せた桶の上に立ちました。

ウズメはマサキの髪飾りを頭に差し、その服は天の香具山のカズラをたすきにして体に巻いただけという、きわどい姿です。手には天の香具山の笹を手に持っています。

 

ウズメが桶の上に立つと、そのなまめかしい半裸の姿に、周りで取り巻いていた神々は一斉に「おお~~っ」と声を上げました。

 

コヤネののりとがおわると、ウズメは手に持った笹の枝を振り上げ、桶を踏み鳴らして踊り始めました。

かがり火に照らされた、そのなまめかしい踊り・・・周りの神々は手拍子をし、どっと笑います。

そしてしその踊りはだんだん激しくなってきました・・・そのあまりの激しさにカズラを巻いただけの衣装はずれて、いつしか乳房も大事な部分も丸見えになっています。

そしてこの踊りを見る神々も興奮してきました。手拍子もだんだん激しくなり、神々の笑い声、口笛が飛び交います。

 

「ウズメ~!いいぞ~~!」

「おい、うずめ~~!!こっちだ~、こっちも向いてくれ~!」

 

そんな声も飛び交い、祭りは最高潮に達しました。

その時でした!!

    

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オモイカネの自伝 目次

 

 

☆ウズメ

 

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天岩屋の前で踊った神話はよく知られています。このエピソードからウズメは芸能の神として信仰されてます。

もっとも、その踊りがストリップだったということは、知る人しか知りませんが・・・

 

後にサルタビコと結婚したともいわれています。

古事記編纂者の一人、稗田阿礼はウズメの子孫とされています。

 

ウズメは日本各地でサルタビコと一緒に祀られていますが、長野県北安曇郡松川村の鈿女神社ではウズメが単独で祀られています。

 

wikipedia 鈿女神社


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