古事記の話

古事記を小説風に書き直してみました

日本へ・・・

アメノヒボコの自伝 6

 

 

 

朝、目覚めると、そこに妻の姿はなかった・・・

わたしは焦った

妻はどこへ行ったのだ・・・

 

‥そういえば・・

昨日、妻は「祖国に帰ります」とか言ってたな・・・まさか・・・

 

私はすぐに従者に命じて、妻を探させた。すぐに報告が上がってきた。しかし、その結果は、わたしを絶望させた・・・

 

「お妃さまは、海辺の漁師から小舟を調達し、海原に出ていったということです」

従者からの報告が上がってきた・・・妻は一人で海に・・いったい、妻が言ってた、祖国とはどこなのだ・・・

 

「なに、海に・・・それで妻は、どこに行ったのだ!?」

「はい、漁師によれば、日本に向かうとお妃さまは申されていたそうです」

 

「な・・・なんだと・・日本・・・」

 

日本と言えば、海のかなたにあると云わる、神の国だ・・・妻は神国日本の生まれだったというのか・・・

 

わたしは気が遠くなった・・・これからどうすればよいのか・・わたしの頭の中は、その時真っ白になった・・・何も考えられなかった・・・

 

「あの・・王子様・・・」

従者の声に、正気を取り戻した・・・

 

そして、わたしは言った・・・力のない声で・・・

 

「・・・日本へ・・・行くぞ・・・!」

 

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アメノヒボコの自伝 目次

 

 

アメノヒボコの来日

 

日本書紀によると、アメノヒボコの来日は第11代の垂仁天皇3年(西暦634年)の3月ということになっています

 

なお、古事記では妻を追ってきたアメノヒボコですが、日本書紀にそのようなエピソードは無く

播磨に滞在していたアメノヒボコ

「わたしは新羅の王子ですが、日本に聖皇(ひじりのきみ)が居ると聞き、国は弟に譲って日本に帰化しようとして来ました」

天皇からの使者に答えています

 

☆都奴我阿羅斯等(つぬがあらしと)

 

日本書紀には、古事記と同様の石から変わった妻を追って日本に来た話は、第10代崇神天皇の御代に来日した都奴我阿羅斯等(つぬがあらしと)の物語として収録されています

 

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