アメノヒボコの自伝 4
男の話が終わったが、わたしは半信半疑だった・・
しかし、この玉は神秘的な光を放っていた・・ただものではないことは確かなようだ・・
わたしは男を許して解放した。男が持っていた赤い玉は王宮に持ち帰ることにした。
持ち帰った玉は、寝床の枕元に置いておいた。真紅のその玉の赤い光を見ていると、不思議に気分が落ち着き、よく眠れるような気がした。
そんなある日のことである。いつものように赤い玉の光に包まれて寝入り、そして目が覚めると・・・
私の枕元に、見知らぬ一人の若く美しい娘が立っていた!
「なんだ!?そなたは!!」
わたしはびっくりして飛び起きた
娘は落ち着いて、静かに言う
「わたくしは、あなたさまがもらい受けた赤い玉でございます。あなたさまの妻となるために来たのでございます」
「なに・・・?」
わたしの妻になるために来たという娘・・・わたしはいぶかしげに娘を見た・・・しかし、確かにその娘の身体からも、赤い玉が放っていたものと同じ神々しさが感じられた・・・
・・・この娘が、赤い玉の化身であることに間違いはない!
こうしてその娘はわたしの妻となった。
娘は素晴らしい妻だった。娘はどこからか、山海の珍味を手に入れてきては、料理をしてわたしに饗したのだ。わたしによく仕え、一切のわがままなど言わず、わたしの言うことは何でも聞いてくれたのだ
わたしはまことに素晴らしい妻を持つことができ、幸せだった。
しかし、そんな日々が続くうちに・・・
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