アメノヒボコの自伝 1
しかし今は日本に来て、日本で暮らしている。
わたしが新羅国に居た頃のことであった。
わたしは馬に乗って、領内を見回っていた。都を出て、田舎の方に出てきたときのことである。
その日は暖かい春の日が照っていて、田畑では農民たちが作業に精を出していた。
そしてそんな田畑をすぎて、峠道に差し掛かった時のことである。
通りの向かい側から、牛を引いてくる男に出会ったのだ。
その男・・・来ている衣類からしてみずぼらしく、いかにも貧しい貧農の男といった体であった。
しかし、男が引いている牛はというと、がっしりとした体つきで、毛並みもつやがよく、いかにも上等な牛だった。
みずぼらしい男と立派な牛・・いかにも不釣り合いだ。
さてはこの男、牛を盗んで来たな・・わたしはそう直感したのだった
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本日よりアメノヒボコの物語を掲載していきます。よろしくお願いいたします。
アメノヒボコは古事記では中巻の応神天皇記の最後に収録されており「天之日矛」と記載されています。日本書紀では「天日槍」と記載されています
アメノヒホコの子孫に前話の主人公である神功皇后がおり、また垂仁天皇に仕え「ときじくのかくの木の実」を常世国から日本に持ち帰ったタジマモリもアメノヒボコの子孫です
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