神武天皇の自伝 番外編 1(カムヤイミミの自伝)
わたしの名はカムヤイミミ。大和の地に生まれた。
わたしは3兄弟の次男である。兄の名はヒコヤイ、弟の名はカムヌナカワミミという。
そしてわたしの父は天皇(すめらみこと)のイワレである。
父はアマテラス大御神の子孫であり、日向から日本の国を統治すべく大和に出てきた偉大な存在であった。大和で母イスケヨリヒメを見初めて后にし、わたしたち3兄弟が生まれたのである。
そして、父は137歳で亡くなった。
父の没後、日向からタギシミミが上ってきた。タギシミミは父イワレが日向の地に居たときに生まれた子だという。
そしてこともあろうに、父の死で宮廷がごたついているのをいいことに、美しい母イスケヨリヒメを自分の妻にしてしまったのである。半ば脅すようにして・・
そんな、ある日のことだった・・・
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☆タギシミミ
イワレが日向にいたときに生まれた子です。
古事記では東征後に初めて登場しますが、日本書紀ではイワレと一緒に東征に従軍し、大和に入ってからも政務に携わっています。なので本来ならばタギシミミがそのまま皇位を継いでもおかしくないはずなのですが、そこには何か裏の事情があったのでしょう。
タギシミミの母親はアイラヒメ(阿比良比賣)、神武東征には同行せず日向の地より東征の成功と道中の安全を祈りました。宮崎県日南市の吾平津神社がその地だと伝わります。
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