オモイカネの自伝 23
こうしてタケミカヅチをアマテラスの特使とし、オオクニヌシのもとに派遣することになりました。
副官としてアメノトリフネを添えることも決まりました。
こうしてアマテラス大御神の期待を背負って、タケミカヅチはアメノトリフネを従えて日本に降りていったのでございます。
結果はというと、これがうまくいったのでございます。
タケミカヅチは交渉の場に出てきたオオクニヌシとその二人の息子に対し、脅迫ともとられかねない、強い態度で臨んだのでございました。
すると、オオクニヌシの息子の一人はあっさりこちらの要求を認め、もう一人も一度は反対するもののタケミカヅチの強い態度に降参しました。この様子を見たオオクニヌシは、争っても仕方がないと感じたのか、日本の国の統治権をアマテラス大御神に献上すると申し出ました。
ただ、その交換条件として、引退後の自分の神殿を壮大に建ててもらいたい、と要求してきたとのことです。
このオオクニヌシの要求はアマテラス大御神に奏上されました。アマテラス大御神はこれをお許しになりました。
そして高天原の神々の手により、出雲の地に壮大な神殿が建立されたのでございます。
オオクニヌシは日本の国を豊かに作り上げた功労者であります。この神殿の奥に隠居されましたが、その名はいつまでも日本の民の間で語り継がれることでしょう。
こうして、この豊かな日本の国は、アマテラス大御神のものとなったのでございます。
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☆フツヌシの神
古事記ではタケミカヅチが正使であり、副官としてアメノトリフネが派遣されています。
一方、日本書紀ではフツヌシがオオクニヌシへの使者として任命されます。そこにタケミカヅチが「オレもいるのに、なぜフツヌシばかり贔屓する?!」と横やりを入れ、タケミカヅチも副官として派遣された、ということになっています。
タケミカヅチは鹿島神宮で祀られていますが、フツヌシは利根川を挟んだ香取神宮で祀られています。
☆国譲り
本篇では「高天原からの視点」で描いているので詳細は割愛しています。
この時、オオクニヌシの息子の一人、コトシロヌシはあっさり要求を認めました。もう一人のタケミナカタは反発してタケミカヅチに喧嘩を吹っ掛けるも逆にねじ伏せられ、諏訪湖のほとりまで追い詰められて降参しました。
最終的にはオオクニヌシが「日本の国はご命令の通り献上いたします。その代わり、アマテラス大御神が鎮座される神殿のような、立派な宮殿を作ってください」と申し出て、国譲りが完了されました。
コトシロヌシは三保神社に、タケミナカタは諏訪大社に、そしてオオクニヌシはこの時建てられた宮殿である出雲大社に鎮座されています。
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