古事記の話

古事記を小説風に書き直してみました

準備は整った

 

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こうしてわたしは日本の統治者として、高天原から地上へ降りることになった。

 

アマテラス大御神から日本の統治者に任ぜられたことに、わたしはまたとない栄誉を感じていた。その一方でわたしに一国の統治ができるのか、大きな不安があった。

 

そんなわたしの気持ちを知ってか知らずか、アマテラス大御神は、わたしに随伴する多くの神々を一緒に日本に降臨させてくれることになった。

 

アメノコヤネ、フトタマ、ウズメ、イシコリドメタマノオヤ。この五神が「五伴緒(いつとものお)」としてわたしに従って下りることになった。

さらにオモイカネ・タヂカラオアメノイワトワケもわたしに従って下りることになった。

 

いずれもはるかな昔、アマテラス大御神が、弟神のスサノオの大神との確執で天岩屋にこもった時に活躍した神々だ。

アマテラス大御神が岩屋にこもって高天原も地上も真っ暗になった時、これらの神々が協力してアマテラス大御神を岩屋から引き出し、世界に光が戻ったという。

 

さらにアマテラス大御神は、わたしに剣・勾玉・鏡を授けられた。

 

この剣は悠久の昔、スサノオの大神が、出雲の人々を苦しめていた八俣のおろちを退治した時、その尾の中から取り出した剣だという。勾玉と鏡はアマテラス大御神が岩屋にこもられたとき、大御神を外に誘い出すための儀式に使われたそうだ。

 

アマテラス大御神は

「この鏡にはわたしの御魂がこもっています。これをわたしだと思って大切に祀りなさい。そうすれば日本の国は日の光に守られていつまでも栄えることでしょう」

と仰せになられた。

 

わたしは身の引き締まる思いだった。日本を守る神魂のこもった剣・勾玉・鏡を持ち、多くの随伴の神々を連れ、降臨の準備は整った。

 

その時だった・・

 

地上の日本から、上は高天原を、下は日本を照らしながら昇ってくる神が見えたのだ・・ 

 

 

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ニニギの自伝 目次

 

三種の神器

 

三種の神器とは、テレビ・冷蔵庫・洗濯機のことを指し・・・いや、違った・・・

 

この時ニニギがアマテラスから賜った鏡・勾玉・剣が三種の神器です。それぞれ八咫鏡(やたのかがみ)・八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)・草薙剣(くさなぎのつるぎ)と称しています。

皇位の証しとして皇室に代々受け継がれてきました。

 

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このうち鏡は伊勢神宮内宮に、剣は熱田神宮に、勾玉は宮中に、それぞれ祀られていますが、その実態を確かめるすべはなく秘密のベールに包まれています。


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