古事記の話

古事記を小説風に書き直してみました

神々を産む

 

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こうして日本を形作る島々が生まれた。

 

わたしたちは生まれた島に降り立った。

そこは草も木もない、ごつごつとした岩場だらけの島だった。

 

島を産んだだけで満足してしまうわけにはいかない。ここに国を造り、発展させていかなければならない。

どうすればいいか・・・

 

そこでわたしはイザナミに言った

イザナミ・・島はできた。だが見ての通り殺風景な岩だけの島だ。この国を豊かにするためには神々を産まなければならない・・お前、大丈夫か?」

 

私は心配だった。イザナミは島々を産んだ。そうとう身体に負担になっただろう。この上神々まで生むことができるのだろうか・・・

 

しかしそんな心配も吹き飛ぶほど、イザナミははつらつとした声で答えた

イザナギ・・そう言ってくれるのを待っていたわ・・私は平気よ。頑張ってたくさんの神々を産みましょう」

 

こうして私たちは、多くの神々を産むことになった。

岩土の神、家の神、海の神、水の神、風の神、山の神、野の神・・・

 

神が生まれるたびに日本の国は魂を持ち始めた。山や野には川が流れ、木が芽吹き、生き物が生まれた。

脈動する日本はここに生まれつつあった。

 

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