古事記の話

古事記を小説風に書き直してみました

日本の国が産まれる

 

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わたしとイザナミは、オノゴロ島の宮殿に帰り、再び天の御柱の前に立った。

 

わたしはは先にやった時と同じように、太い柱をゆっくり左に回っていった。そして右に回っていたイザナミが柱の陰から現れる。

 

そしてわたしから口を開く

イザナミ・・・なんてきれいないお嬢さんなんだ」

 

続いてイザナミが言った

イザナギ・・・とても素敵な青年ですね」

 

なんとも不思議な心持だった。最初に儀式を行ったときのような、うれしさと興奮が入り混じったような感覚ではない。

胸の奥からじんわりと嬉しさと愛おしさがこみあげてきた。

そしてわたしたちはこの間と同じように抱き合った。

 

時が経った。島が生まれた。

まず淡道之穂之狭別島(あわじのほのさわけしま)が生まれた。今でいう淡路島だ。

 

次に伊予之二名島(いよのふたなのしま)、今でいう四国が生まれる。

 

続けて隠伎之三子島(おきのみつごのしま)、筑紫島(つくしのしま)、伊岐島(いきのしま)、津島(つしま)、佐渡島(さどのしま)、大倭豊秋津島(おおやまととよあきづしま)が生まれた。

いまでいう隠岐の島、九州、壱岐対馬佐渡島、本州である。

 

この八つの島が先に生まれた。日本のことを大八島国というようになったのはこのときからである。

 

更に吉備之児島(きびのこじま)、小豆島(あずきじま)、大島(おおしま)、女島(めしま)、知詞島(ちかのしま)、両児之島(ふたごのしま)の6つの島を産んだ。

 

吉備之児島はいまでいう岡山の児島である。今は陸続きになっている。

そして小豆島、周防大島、大分の姫島、長崎の五島列島、および男女群島と、今ではそれぞれいっている。

 

こうしてわたしたちは日本の国を産み終えた。

 

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イザナギの自伝 目次

 

 

☆国生み

 

日本の国はイザナギイザナミがお産みになりました。

最初に産んだ大八島国というのは日本の国土の中心となる島々、および周辺の国防上重要な島々ですね。古事記が書かれた当時、北海道・沖縄は日本の支配は及んでいませんでした。

その後生まれた6つの島は、機内から瀬戸内を通って大陸に至る、交易上重要な島々ですね。

 

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