古事記の話

古事記を小説風に書き直してみました

スミノエ殺害を命じる

 

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石上神宮に逃げてきた天皇に会いに行くも、反逆者のスミノエのように謀反の心を持っているのでないかと疑われたミズハワケ。謀反の心なければスミノエを誅殺しろ、と天皇にいわれ、難波に戻ってきた。

 

さて、スミノエを誅殺しろといっても、単身どうするか。いかに身長九尺二寸半(185cm)の堂々とした体格のミズハワケとはいえ、天皇の反撃を恐れて厳重に警戒しているスミノエを討ち取るのは容易ではないだろう。

ミズハワケは策略を用いてスミノエを討ち取ることにした。

 

ミズハワケはまず、スミノエに仕えるソバカリに近づいた。

 

「ソバカリ、陛下はまだ存命だ。反逆に失敗したスミノエに仕えても、この先いいこと無いぞ。それより、私に仕えてみてはどうだ?今回のことで陛下は憔悴され、近くわたしに譲位される。

わたしが天皇になったあかつきには、そなたを大臣にし、一緒に天下を統治しようではないか。どうだ?」

 

ソバカリは大臣の座に目がくらんでしまった。

「仰せの通りにいたします」と答えた。

 

そこでミズハワケは

「ならばまず、そなたの主君であるスミノエを殺せ」

とソバカリに命じた。

 

ソバカリは、自分の主君が厠(かわや、便所)に入り無防備になったすきを狙って、矛で突き刺し殺した。

 

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