弟のスミノエの謀反で難波の宮を焼かれ、臣下のアチに助けられて大和の石上神宮(いそのかみじんぐう)まで逃げてきた天皇。
石上神宮に滞在している天皇のもとに、ミズハワケが訪ねてきた。天皇の同母弟である。
ミズハワケは身長九尺二寸半(約185cm)の堂々とした体格で、玉のようにきれいに整った歯を持つ好青年であった。
ミズハワケは天皇に面会を申し入れた。
しかし天皇は同母弟のスミノエに謀反を起こされ疑心暗鬼になっていた。その疑いは自分とスミノエの同母弟であるミズハワケにも向けられた。
天皇はアチを介して
「もしや、そなたもスミノエと同じ心をもって謀反を起こそうというのではないか。わたしはそなたとは会いたくない」
と伝えた。
ミズハワケは
「わたしはスミノエとは違います!陛下に謀反を起こそうなどという心は全く持っておりません」
と訴える。
これを聞いた天皇は
「ならば、難波に戻ってスミノエを誅殺せよ。それが成功したならばわたしはそなたと会おう」
と、臣下のアチを介してミズハワケに伝えた。
前<<< 当岐麻道を行く - 古事記の話
次>>> スミノエ殺害を命じる - 古事記の話
古事記上巻 日本神話 目次
古事記中巻 神武天皇~応神天皇 目次
古事記下巻 仁徳天皇~推古天皇 目次
☆石上神宮
奈良県天理市の石上神宮には、タケミカヅチが日本を平定し、熊野で倒れた神武天皇を救った剣が御神体として祀られています。第10代崇神天皇の勅命により創建されました。
≪リンク≫
カリバ旅行記
温泉の話
駅弁の話
古事記ゆかりの地を訪ねて