反逆者スミノエを策略を用いて誅殺し、実際にその手を下したソバカリを自ら斬ったミズハワケ。天皇がいる大和に上ってきた。
大和に入ってミズハワケは
「今日はここにとどまって禊をしよう。そして明日、陛下が滞在されている石上神宮に参詣しよう」
と言った。
その地は遠飛鳥(とおつあすか)と言われるようになった。
そして禊を済ませたミズハワケは、石上神宮に赴き
「仰せの通り平定しましたので参上いたしました」
と報告した。
ここに天皇はミズハワケを招き入れ、面会し今後の国政運営について意見を交わしたという。
天皇は自分を救い出したアチを蔵官(くらのつかさ)に任命し、広い田地を与えてその功をねぎらった。
時が経ち、天皇は崩御された。次の皇位を継いだのはミズハワケであった。第18代の反正天皇である
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☆遠飛鳥
現在の奈良県高市郡明日香村とされています。現在、単に「飛鳥」と言えばこの遠飛鳥を指すのが一般的です。
河内にあった「近飛鳥(ちかつあすか)」に対し、当時の都であった難波宮から遠いこの地を「遠飛鳥」(とおつあすか)と読んだとされます。
☆反正天皇
ミズハワケは即位前に活躍しましたが、即位後の事績は記述がありません。
宮は柴垣宮に置かれました。現在の大阪府松原市、柴籬神社と言われています。
☆皇位継承
初代神武天皇から17代履中天皇まで、仲哀天皇を例外として皇位は親から子へと受け継がれてきました。しかし18代反正天皇から兄弟間あり、遠い親戚への継承ありとカオスな状況になっていきます。
また、古事記上巻・中巻にはスサノオ・オオクニヌシ・神武天皇・ヤマトタケル・神功皇后といったヒーロー・ヒロインが華々しく活躍しましたが、下巻は内輪もめが殺人になるわ、近親婚あるわで、どろどろした物語が続きます。
神代から歴史時代への過度期に当たる古事記下巻ですが、既に相当血なまぐさい世の中になっています。
≪リンク≫
カリバ旅行記
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古事記ゆかりの地を訪ねて