古事記の話

古事記を小説風に書き直してみました

オオアナムヂの登場

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スサノオの活躍から数百年の時が過ぎた。

 

出雲から因幡へ続く海岸を、一人の神が歩いていた。大きな袋を担ぎ、とぼとぼと歩いていた。この神は名をオオアナムヂと言い、スサノオから数えて6代目の子孫であった。

 

オオアナムヂには大勢の異母兄がいた。

 

ところで、因幡ヤガミヒメという女神がいた。とても美しいと評判で、その声は出雲にまで届いていた。そしてヤガミヒメが婿を探しているという話も伝わってきた。

オオアナムヂの異母兄たちは、早速我こそは、と先を競ってヤガミヒメのところに求婚に出発した。そして末っ子のオオアナムヂに荷物を背負わせた。重い荷物を背負ったオオアナムヂは身軽にずんずん先へ進んでいく兄たちに後れを取り、一人とぼとぼ歩いてきたのである。

 

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古事記の話 目次

 

 

大国主命

  

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ここで後に大国主命となるオオアナムヂが登場します。出雲大社に祀られる大国主命の、若いときの名がオオアナムヂです。(大穴牟遅、文献によってはオオナムヂ、オオナムチなどの読み方も)

他にもいろんな名前を持っており、数々のいろんな話を一人の神の物語としてまとめた結果だと言われています。

 

古事記の記述(原文の現代語訳)

 

「この神(スサノオから5代目の神)が刺国大神(さしくにおおかみ)の娘の刺国若比売(さしくにわかひめ)と結婚して生まれた神が大国主神(おおくにぬしのかみ)である。

またの名は大穴牟遅神(おおあなむぢのかみ)、またの名は葦原色許男神(あしはらしこおのかみ)、またの名は八千矛神(やちほこのかみ)、またの名は宇都志国玉神(うつしくにたまのかみ)、併せて5つの名がある」

 

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