こうしてヤマタのおろちを退治したスサノオは、村人たちの祝福の中でクシナダヒメと結婚した。
スサノオの名声は出雲の国中に響いた。スサノオはいつしか出雲の国を治めるようになっていた。
ある日、出雲の統治者となったスサノオは、いつものように馬に乗って出雲の国の見回りを行っていた。
スサノオはある場所に来ていた。そこは湧き出る水も清く、豊かな土地であった。スサノオは言った。
「ああ、何というすがすがしいところだ。ここにきて、俺の心もすがすがしい」
スサノオはすっかりその場所が気に入り、その地を須賀と命名した。そこにクシナダヒメと暮らす新居を構えることにした。
出雲の国の民の信頼を集めたスサノオである。宮殿造営には国中から民が集まり、あっという間に出来上がった。
新しい宮殿ができた時だった。そこから雲がむらむらと沸き起こった。
これを見たスサノオは、思わず一首の歌を詠んだという。
八重垣作る その八重垣を
スサノオはアシナヅチとテナヅチを宮殿に呼び寄せ、アシナヅチを出雲の国の執政長官に任命した。
スサノオは出雲の人々にしたわれ、クシナダヒメと末永く暮らしたという。
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☆須賀の宮
こうしてスサノオは日本で初めて都を定めました。
「日本初之宮」と称される須賀の宮は、現在の島根県雲南市の須賀神社です。
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