古事記の話

古事記を小説風に書き直してみました

住吉三神の降臨

神功皇后の自伝 6

 

 

「オキナガタラシヒメさま・・・」

建内宿祢(たけうちすくね)の呼びかける声でわたしは目覚めた。わたしの身体に神が降臨し、神はわたしの口を借りて神告を伝えたのだ。

 

建内宿祢は、わたしに神のお告げを語ってくれた。

 

神はわたしに降臨すると、建内宿祢に向かって

「この国は、亡き天皇の皇后オキナガタラシヒメの体の中にいる御子が治める国である」

と言ったそうだ・・・

 

・・・そう、そのときわたしは、亡くなった天皇の御子を懐妊していた・・・

 

建内宿祢は、その時神に尋ねたそうだ

「恐れ多くも大神よ、その御子は男子でございますか?」

すると神は

「男子である」と答えた。

 

また、建内宿祢が

「今お告げをくださっている大神は、どなた様でしょうか、ぜひお名前を知りとうございます」

というと、神が答えるには

 

「我はソコツツノオ・ナカツツノオ・ウワツツノオの住吉3神である。

これはアマテラス大御神の御心からのお告げであるので、心して聞くがよい。

 

先の神告の通り、日本の西の海には宝の国がある。その国を求めようとするならば、天神地祇、山・河・海のすべての神に供え者を供えて祀れ。

 

そのうえで西の国を攻めるための船団を用意せよ。その船には我が住吉3神の御魂を船に乗せていくがよい。

船を作った木材を灰にしてひょうたんに入れ、また箸と柏の葉で作った器とをたくさん作って持っていくのだ。航海の途中でそのすべてを大海に散らして浮かべるがよい」

 

それだけ告げると、神はわたしの身体を離れ、天に帰っていったという・・・

 

 

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神功皇后の自伝 目次

 

 

 

住吉三神

 

住吉三神イザナギが黄泉の国から帰ってきたときの禊により生まれた神様です。航海安全の神様として信仰されています。

全国の住吉神社で祀られており、大坂の住吉大社・下関の住吉神社・博多の住吉神社を三大住吉と称しています。

 

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