古事記の話

古事記を小説風に書き直してみました

宮殿を建てた

 

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わたしとイザナミは、天浮橋を伝ってできたばかりのオノゴロ島に降り立った。

 

そこには何もない、草も木もない、岩さえもない、殺風景な島だった。

 

島に降りたはいいが、さあこれからどうすればよいのだろう・・・。隣を見ると、イザナミが不安そうな顔で私を見つめていた。

そうか・・天の浮橋の上では気丈そうにふるまっていたが、やっぱり女なんだ・・ここは私がしっかりせねば・・

 

「よし、イザナミ、いくぞ」

「え?・・・どうするの?」

「まずはぼくらが落ち着くところが必要だ。家をたてなきゃ」

「そうね」

 

そしてわたしたちは、オノゴロ島に宮殿を建てることにした。

 

島の中央に立ち

「柱よ、建て」いうと、そこに天の御柱が現れた。

「柱の周りに宮殿よ、建て」というと、そこに立派な宮殿が現れた。

 

これもすべて、天沼矛から賜った神の力によるものだろう。

 

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