わたしとイザナミは、オノゴロ島に建てた宮殿に入っていった。
わたしはイザナミのほうを振り返ってみた
・・・美しい・・きれいだ・・
これからイザナミとここに暮らすことになるのか・・
わたしは我を忘れていた。
「どうしたの、イザナギ」
イザナミの声にはっと我に帰る。
「あ・・いや・・その・・何でもない・・
なあ・・・イザナギ・・・ぼくらは似たような身体をしているが、ちょっと違ったところがあるね・・」
「そういえば、わたしの体には、あなたの体にあるものがないわ・・・まだでき足りないのかしら・・」
「そうだね・・たぶん、ぼくの体はできすぎちゃったんだろうな・・」
そんな会話のあと、ふとわたしの頭に閃いたことがあった。それを率直にイザナミに伝えた。
「どうだろう、きみの体の足りないところと、ぼくの体のできすぎたところを合わせてみては・・何かいいことありそうな気がするんだけど・・」
わたしはイザナミの目をじっと見つめて言った。今から考えても、なぜそんなことを言ったのかわからない。
その時のイザナミの心、何を考えていたのだろう・・
イザナミはうれしさと戸惑いが入り混じったような目で私を見つめ返していた。
そしてイザナミは答えた
「ええ、いいわ・・」
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