古事記の話

古事記を小説風に書き直してみました

産屋の中にいたのは・・・

山幸彦の自伝 24

 

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トヨタマヒメは出産のために産屋にこもった。その時、中を覗くなといった・・・どういうことなのだろう・・・気になる・・・

 

・・・元の姿、ってなんだ・・・海神の宮殿で3年間を過ごした、あのきれいな姫の姿は仮の姿だったっていうのか・・・

 

わたしはトヨタマヒメが言った言葉が、気になってしょうがなかった・・・どうしても、抑えきれない・・・

わたしはそっと、気づかれないよう近づいて、鵜の羽の隙間から中を覗いてみることにした・・・なに、大丈夫だ。わたしはトヨタマヒメを愛している。たとえどんな姿だろうと、その気持ちは変わらない自信はある。

 

気づかれないよう、慎重に慎重にそーっと近づき、まだ未完成の産屋の、鵜の羽の隙間から、中を覗いてみた。

 

・・・・・・

 

・・・・・・

 

産屋の中にいたのは・・・・

 

・・・・・・

 

・・・・・・

 

 

 

・・・・ワニだった!

 

・・・・・

 

 

産屋の中で一匹のワニがのたうち回り、子を生んでいたのだ!!

 

  

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山幸彦の自伝

 

 

☆わに女房

 

二ニギが見たのは、つる女房ではなく、わに女房でした!!

 

ワニというのは爬虫類のクロコダイルやアリゲーターではなく、軟骨魚類のサメのことです。

海神の娘がワニ(サメ)だったとは・・・海の王者サメに対する信仰心が感じられます。

 

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