古事記の話

古事記を小説風に書き直してみました

黄泉の国へ

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イザナギの悲しみは、いつしか怒りに変わっていた・・・そう、愛する妻を奪った我が子、火の神・カグツチ・・・

 

イザナギカグツチの前に立つと、腰に差していた剣のオハバリに手をかける・・・

 

カグツチは何のことかわからず、無邪気な目で父神イザナギを見上げた。しかしその動作がいくらかわいらしくても、イザナギの怒りは解けない。

 

イザナギはオハバリを抜くが早いか、カグツチの首をはねた。

ほとばしる血・・・その血から雷の神タケミカヅチが産まれる。さらに流れる血から、カグツチの遺体から岩の神、山の神、野原の神・・・次々と神が産まれてきた。

 

しかしカグツチを斬ったところで、イザナミは戻ってこない。イザナギの悲しみは続く。

 

「ああ・・・イザナミ・・・会いたい・・・」

 

そして、イザナギは決心する。

「ああ、ぼくはイザナミなしでは生きていけない・・・そうだ、イザナミを死者が行く黄泉の国から連れ戻そう。今から急いでいけば、まだ間に合うはずだ」

 

そしてイザナギは旅に出た。

 

出雲の国にイザナギは来ていた。ここにある黄泉比良坂(よもつひらさか)を下りれば、そこは黄泉の国、死者の住む国である。

 

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古事記の話 目次

 

 

揖屋神社

 

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 イザナミは亡くなり、黄泉の国に行ってしまいました。

 

現世と黄泉の国との間にあるという黄泉比良坂、現在の松江市東出雲町揖屋に比定されています。近くには揖屋神社があり、イザナミを祀ってあります。

 

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