わたしは妻イザナミの死の原因となった、我が子火の神カグツチを斬った。
しかし、私の心は晴れなかった・・・晴れるわけもなかった。
残ったのは空虚な虚しさだけだった・・・
そしてわたしは決心した。
わたしはイザナミなしに生きていくことはできない・・よし、イザナミを迎えに行こう!
わたしは地の底にあるという、死者の行く国、黄泉国(よみのくに)に行くことにした。自らの手でイザナミを現世に連れ戻そうと考えたのである。
私は出雲の国まで来た。この国にある、現世と黄泉国の境にあるという黄泉比良坂(よもつひらさか)を下っていく。下るにしたがい光は届かなくなり、辺りは暗くなっていく。
黄泉の国は不気味な闇と静けさが覆っていた。
わたしはイザナミを探し、慎重に歩みを進めていった。
するとわたしは、不気味な土と岩でできた宮殿に行き当たった。
「・・・この中にイザナミがいるに違いない・・」
わたしは確信した。別に根拠があったわけではない。
神の直感とでもいおうか・・
わたしは、宮殿の入り口をふさぐ戸の前に立った・・・
次>>> 黄泉の国のイザナミ - 古事記の話
イザナギの自伝 目次
≪リンク≫
小説古事記
古事記ゆかりの地を訪ねて
カリバ旅行記
温泉の話
駅弁の話
鉄道唱歌の話