イザナミの自伝 1
わたしの名はイザナミ。令和の今をさることはるかな昔、高天原に産まれた女神である。
その昔、この世には天も地もなかった。そんなあるとき、混沌としたこの世に一人の神が生まれた。それがアメノミナカヌシの大神である。
それからまた時が過ぎた。天と地が分かれ、しかしこの世はまだ水に浮く脂のように、あたかもクラゲのように漂っていた。
そんな世の中でも、次々と神々が産まれて来た。そう、葦が力強く芽を出し伸びていくように・・・
そんな、次々と生まれてきた神々の中で、最後に産まれてきたのがわたし、イザナミである
ちなみにわたしは女神であるが、わたしと同時に産まれてきた男神がいる。神々は最初のころは男も女もなかったが、わたしの時代になると男女が分かれて産まれてきたのだ。
ちなみにわたしにもイザナギにも、親はいない。
いや、孤児という意味ではない、物理的に存在しないのだ。我々までの世代の神々は父も母もなく、無から生まれてきたのだ。まさに神代の中でも草創期ならではの出来事であろう
そんなわたしであるが、ある日、イザナギとともにアメノミナカヌシのもとに呼び出されたのだった・・・
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お久しぶりです。本日より「イザナミの自伝」として、イザナミの一人称で日本創世の物語を語っていきたいと思います
イザナギとイザナミは神代七代と言われる、神代の時代に七代続けて産まれて来た最後の男女一対の神様です。男女が互いに誘い合う意味の「誘ぐ(いざなぐ)」がその名の意味だと云われています。
現在では「〇〇へのいざない」などという語句にその名残が残っています。
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