古事記の話

古事記を小説風に書き直してみました

日本を産んだ

イザナミの自伝 11

 

 

 

わたしとイザナギは、は天の浮橋を降りてオノゴロ島に戻ってきた

最初にオノゴロ島に降りたときのような高揚感は無かった。

二回目ということで糧はわかっていたので、落ち着いてはいた。それとともに、今度はうまくいくのだろうかという不安感、焦燥感・・・また同じことをやり直さなければいけないのかという倦怠感・・・それらのものが入り混じっていた

それはイザナギも同じだったろう・・・

 

わたしたちは再びオノゴロ島に降り立ち、宮殿に入った。

そして再び、天の御柱の前に二人は立った。互いに背を向け、天の御柱の周りをゆっくり回っていく。

太い御柱を回っていくと、反対側から回ってきたイザナギの姿は見えた。

 

そして、イザナギが先に口を開いた

「ああ、イザナミ・・なんて素敵なお嬢さんなんだ!」

「ああ、イザナギ・・なんて素敵な青年なんでしょう!」

 

わたしはうれしかった。しかし、最初のような興奮、高揚感は無かった。

それに代わって、胸の奥からじんわりといとしさ、安らぎが湧き出して、わたしの心が包まれた・・・

 

イザナギも同じだろう、彼の安らいだ表情からもそれはよくわかる

 

そしてその夜、わたしたちは再び結ばれたのだた

 

 

わたしとイザナギは結ばれた。そして時がたった。

 

わたしは島を生んだのだ。

最初に産まれたのは、淡道之補之狭別島(あわじのほのさわけしま)であった。これがわたしがまともに産んだ、初めての島であった。

 

次に伊予之二名島(いよのふたなのしま)を産んだ。

 

続けて隠伎之三子島(おきのみつごのしま)、筑紫島(つくしのしま)、伊伎島(いきのしま)、津島(つしま)、佐渡島(さどのしま)大倭豊秋津島(おおやまととよあきつしま)をわたしは産んだのだった。

 

わたしが最初に産んだのはこの八島である。日本のことを大八島国というようになったのはこのときからである。

 

続けて吉備之児島(きびのこじま)、小豆島(あずきじま)大島’(おおしま)、女島(めしま)、知詞島(ちかのしま)、両児之島(ふrたごのしま)をわたしは産んだ

 

こうして、わたしが生んだ島々によって、日本の国がここに誕生したのである

 

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イザナミの自伝 目次

 

 

 

☆日本の誕生

 

イザナミが産んだ島は、順に淡路島・四国・隠岐・九州・壱岐対馬佐渡・本州で、この八島が最初に産まれたので日本を「大八島国」と言います。オノゴロ島を中心とする淡路島と、国土の根幹をなす3島(北海道は当時は朝廷の支配外だった)、および国防上重要な日本海側の島々ですね。

 

その後に産んだ島は、岡山県児島半島香川県の小豆島・山口県の大島・長崎県五島列島男女群島とされています。

畿内から瀬戸内海を通って大陸との交易をおこなう上で重要な島々ですね

 

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