古事記の話

古事記を小説風に書き直してみました

2020-06-02から1日間の記事一覧

枯野号

これも仁徳天皇の晩年のことである。 兎寸川(とのきがわ)の西岸に一本の高い木が生えていた。その木の影は、朝日が当たれば淡路島まで届き、夕日が当たれば高安山を越えたという。 この木を切って船を建造した。その船は俊足でとても性能が良い船であった…