建内宿祢の自伝 28

旗艦に入ってきた新羅国王は、オキナガタラシヒメさま(神功皇后)に謁見することになりました。わたくしは国王をオキナガタラシヒメ様の前に招き入れました。
進み出た国王はオキナガタラシヒメさまの前でひざまずきます。
オキナガタラシヒメさまは仰せになりました
「日本を治める天皇(すめらみこと)の摂政オキナガタラシヒメです。新羅国王ハサムキム、よくおいでくださいました。頭を上げてください」
その言葉に国王は頭を上げて言いました
「ああ、神の国の天皇よ・・王宮まで波に乗って押し寄せてきた艦隊・・ああ、神の国の軍の恐ろしさよ・・・誠に恐れ入りました
わたくしはこの後、日本の天皇にお仕えいたします」
「承知しました。ハサムキム殿、ご苦労様でした」
とオキナガタラシヒメさまは仰せになりました
その時、オキナガタラシヒメ様のそばに控えていた高官が進言しました
「オキナガタラシヒメさま、このまま新羅国王を生かして返しては、朝廷の威厳にも関わります。ここは新羅国王を殺すべきであります」
その高官の声を聞いてた国王は驚き、真っ青になりがたがた震えだしました。まあ、無理ありませんが・・
しかし、オキナガタラシヒメさまは
「神の導きによって今、宝の国を得ようとしているのです。自ら降伏しようとしているものを殺す道理はありません。それこそ神の御威光に反する行為でしょう」
と仰せになり、国王をお守りになったのでありました。
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