古事記の話

古事記を小説風に書き直してみました

八咫烏とゆかいな仲間たち

神武天皇の自伝 18

 

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タカクラジは、続けて夢の話をする。

 

「アマテラス大御神に続いてタカミムスビの大神がおっしゃいました・・・」

その話によると・・・

 

ここから先、荒ぶる神が多いので、このまま進んではいけない。これから天より八咫烏(やたのからす)を遣わす。八咫烏が先導するので、そのあとからついてゆくがよい・・・

 

とのことだった。

 

ほどなく東の空より、三本足の大きな烏が下りてきた。高天原から遣わされてきた八咫烏だ。

 

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我が皇軍は、八咫烏に導かれて行軍していった。

 

そんな時、吉野川で、竹籠の罠を使って漁をしている男がいた。わたしはなぜか興味を惹かれ、その男に名を訪ねた。

「わたくしはこの国の国つ神で、ニエモツと申します」

と彼は答えた。

彼は私に従順し、我が皇軍に加わることになったs。

 

そこからさらに進むと、先頭に立っていた兵士が声を上げた

「なんだ、あいつ!尾が生えているぞ!」

そう、尾が生えた男が井戸の中から出てきた・・・いや、よく見ると尾ではない。毛皮の着物を後ろに垂らしていて、それが尾のように見えていたのだ。毛並みはとても美しく、光輝いて見えた。

彼は「わたくしはこの国の国つ神で、イイカと申します」

と名のった。彼もわたしに従順し、皇軍に加わることになった。

 

そこからさらに進むと、岩の向こうからまた尾がある男が現れた・・・彼も毛皮を後ろに垂らし尾のように見えていたのだ。

「わたくしは国つ神、名はイワオシワケと申します。今、天の御子がおいでになるときき、お迎えに上がりました」

と言った。彼も皇軍に加わった。

 

こうして我が皇軍は、八咫烏の導きで次々と味方を加えながら、土地の事情に詳しい彼らの案内で、大和に向けて進軍していったのであった。

 

 

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神武天皇の自伝 目次

 

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八咫烏

 

日本サッカー協会のシンボルともなっている八咫烏熊野三山の守り神として信仰されています。

 

「咫」(あた)は長さの単位ですが、「八咫」は実際の数値ではなく「大きい」ことを意味します。

 

イワレを大和に導いた後、熊野に戻り石になったと伝えられます。熊野那智大社の烏石がそれだそうです。

 

熊野那智大社


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